「大塚家具」宴の後、在庫一掃セール終了で売上大幅ダウン、再びやって来る“危機”

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〈売上高が15カ月ぶりにプラス〉とニュースになったのは、昨年11月のこと。いまや、売上高が前年を上回っただけで記事になる大塚家具である。

 その要因は、最大80%引きを謳った「在庫一掃セール」で、10月の店舗売上高が前年同月比で107.7%にアップしたのである。これに気をよくした“かぐや姫”こと大塚久美子社長はセールの1カ月延長を宣言。11月の売上も前年同月比104.1%を達成した。

 さて、2月1日、大塚家具は今年1月の売上高を、前年同月比で75.2%と発表した。今のところ、マスコミはこの数字を大きく報じてはいないが、果たしてこれをどう見るべきか――。

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 デイリー新潮が「大塚家具“在庫一掃セール”で売上高アップ、『モルヒネ注射』はもう止められない?」と報じたのは昨年11月9日のこと。この時、「セールが終わったら大変なことになる」と予想した事情通が言う。

「小売店にとってセールは、売上の数字を上げるためだけの“モルヒネ”同然で、やり過ぎれば効かなくなります。80%引きのセールをやっても、10月期でわずか7.7%、11月期には4.1%しか売上が伸びなかったということが驚きでした。しかも、その比較対象である前年(17年)というのは、72億円もの大赤字を出した年です。それでもセールをやっていれば、それだけの売上があったわけですが、やめた途端、12月期は84.9%にまで落ち、今年1月は75.2%にまで落ちたというわけです。70%台なんて、昨年だって7月に1度あっただけ。繰り返すようですが、この数字はあくまでも前年同月比の数字ですからね」

 では、前年同月比の推移を見てみよう。

 久美子社長が同社の社長に返り咲いたのは、15年1月のこと。同年3月の株主総会において、父で創業者の大塚勝久会長が退任することになり、親子の確執は終わる。その直後の4月にスタートしたのが、世間を騒がしたお詫びとして開催された大感謝フェアだった。この年は売上580億400万円、3億円以上の黒字となり、順風満帆の船出に見えた――。

 前年同月比だけでは、ちょっとずつ下がっているようにしか見えないが、15年1月を基準に比べてみると、今年は約52%にまで落ち込んでいる。久美子社長の最盛期の半分程度にまで売上は落ちているのだ。年間の売上高ともなれば、16年には45億円の赤字、17年も72億円の赤字となっている。

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