「僧衣で運転」騒動、「白衣」「チャイナドレス」は 弁護士解説

社会週刊新潮 2019年2月7日号掲載

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 坊主憎けりゃ袈裟まで憎いとは言うものの、まさかこのお巡りさんも坊主が憎かったわけではあるまい。

 福井県警の交通取締りに端を発した「僧衣で運転」騒動のことである。

 僧衣での運転に横槍を入れられたものの違和感を持った男性が反則金の納付を拒否。さらに、全国の僧侶も反発の声をあげ、騒動が拡大の一途を辿ったのはご存知の通り。ところが、

「1月26日、福井県警は一転、この男性に送検しない方針を伝えたのです」(同)

 思わぬ騒動に早期の幕引きを図った形の福井県警だったが、それでも気になるのは、他の服装でならどうなのかという問題。

 急患のもとへ、取るものもとりあえず駆けつける医者の白衣は?

 営業着のまま店へと車を走らせる“夜の蝶”のチャイナドレスは?

 交通法規に詳しい加茂隆康弁護士によれば、

「今回の取締りで対象になったのは、ブレーキなどがある足許周りと、シフトレバーなどがある袖周りだったといわれています。だとすれば、ひざ下がすぼまっているようなチャイナドレスや和服などは規則に引っかかると判断される可能性があります」

 そして、

「最も問題なのは、このような明確な基準が示されない規則では、取締りが警察官の主観に左右されかねないということ。極端な話、今日はむしゃくしゃするから、なんて理由で反則金を科せられる可能性もあるかもしれません。また、このような規則は全国でも15の県でしか制定されておらず、例えば、衣服の規定がない京都の僧侶が法事に訪れた福井で反則金を科せられるという事態も起こりかねません」(同)

 なんとも腑に落ちない話なのだ。