早田ひな、全日本で下剋上達成 東京五輪代表“第3の女”の可能性は

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 全日本卓球選手権は下剋上が相次いだ。女子シングルスでは14歳の木原美悠(みゆう)が、前々回女王で世界ランキング9位の平野美宇(18)を破るなどして決勝に進出。さすがに決勝は同7位の伊藤美誠(みま)(18)に完敗したが、準優勝で会場を沸かせた。

「平野はムラがある子なので、木原クラスに負けても驚きませんが……」

 とは日本卓球協会幹部。

「我々が沸いた下剋上は、世界ランク3位・石川佳純(25)に同43位・早田ひな(18)が挑んだ6回戦です」

 理由は、来る東京五輪と関係がある。五輪出場枠は男女各3。うちシングルスと団体戦に出場する2枠は、世界ランクで決まる。ランクはポイント制ゆえ、よほどのことがなければ現在の日本人1位と2位、つまり石川と伊藤が濃厚だという。

 問題は、団体戦要員となる3人目だ。日本女子の団体戦は、2012年ロンドン大会で銀、16年リオ大会で銅。盟主中国を破っての金獲得は悲願である。そのカギを握る“第3の女”は、ランクを考慮しつつも強化本部の推薦で決まる。

「実は、強化本部は、何としても早田を選びたい。そうすれば団体戦のダブルスで勝ちが見込めますから」

“みまひな”こと伊藤・早田ペアは、昨年12月のITTFワールドツアー・グランドファイナルで中国ペアを破って優勝した。サウスポーということもあり、早田はダブルスがめっぽう得意なのだという。

 ところが、すんなり“早田”といかない事情がある。

「早田の世界ランクは、日本人の10番手なんです。上位者を押しのけて選べば、当然異論が噴出する。だから、早田にはシングルスも頑張ってほしいわけです」

 今大会で早田が石川に勝ったことは、直接世界ランクには影響しない。だが、強化本部には少なからぬ影響を与えたようである。

「早田には、この1年はシングルスに専念して、ダブルスを休止してほしいくらい。そうすれば、中国に研究されずに済みますし」

 代表発表は来年1月6日。

週刊新潮 2019年1月31日号掲載

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