MARCHそれぞれの就職事情 現役学生やOBの“生の声”に聞くキャンパスライフの実態

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意外といい青学の就職

 さて、MARCHの就職についてである。

「面接して優秀だと感じる、論理的思考力やユニークな発想がある学生の出現率は、ある程度、偏差値に比例すると感じます。東大や一橋、東工大の学生は切れ味鋭い話をする人が多く、それにくらべると早慶はばらつきがあり、MARCHになるとその傾向は顕著です」

 就職コンサルタントの福島直樹氏は、そう言いつつも、

「全体で見れば、MARCH以上には優秀な学生が多く、大半の企業の人事もそう考えています。MARCHなら不利な扱いは受けず、あとは就活生次第」

 と説く。就職に関しては、福島氏の「採用に当たってなんらかの学歴フィルターを設定する場合、MARCH以上を優遇する企業が多い」という言葉を紹介するが、

「大学群ごとに枠を設定するというのが実際のところ。旧帝大、早慶、MARCH、日東駒専それぞれの枠を用意し、難易度が高いほど枠が大きくなるという形式のフィルターです」

 その枠に入れるように、論理的思考力を磨き、経験を積むしかないわけだ。

 ちなみに、大学通信のデータによると、昨春、主要400企業および法人に就職した学生の割合は、青学が30・9%、明治が28・4%、立教が25・8%、中央が23・2%、そして法政21・8%。青学が堅調だが、

「明治と法政は公務員になる人が多いので、それを含めると順位が変わるかもしれません」(同)

 5大学がひとくくりにされつつも、大学ごとに生き残りをかけ、改革を重ねているMARCH。中央の星野智法学部長は、

「法学部の都心移転は、中大のブランド力を高めるため、ロースクールと協力して法学部の法曹養成をさらに展開する必要がある、ということが大きな理由」

 と説き、明治の村上一博法学部長は、大学全体の取り組みをこう強調する。

「地方の受験生を呼び込むために、奨学金や寮を提供しているほか、特筆すべきは在校生の親へのサービス。教職員で分担して全都道府県を回り、学生の状況について説明していて、学部を超えた父母同士の関係もつくられています」

 学部の新設や移転情報も察知しつつ、適切な選択ができれば、MARCH入学はよき一歩になりそうだ。

週刊新潮 2019年1月24日号掲載

特集「人気もカラーも激変の『MARCH』入学するならどの『大学』『学部』?」

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