「美智子さま」上皇后へ… “ミッチー・ロス”現象で後追い辞職者が続出か

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 御代替わりで皇后から「上皇后」へ称号が変わる美智子さま。“ミッチー・ブーム”を巻き起こし、国民から親しまれたが、表舞台に立つ機会が減るのは間違いない。

「改元の時になって、喪失感や寂しさを味わう方も多いのではないでしょうか」

 とは、皇室ジャーナリストの渡辺みどり氏だ。

「1月2日の一般参賀には、平成最多の去年を2万8千人も上回る、約15万4800人が集まりました。私の友人で両陛下と同世代の人たちは皆、“今年は最後だからひと目だけでも”と言って、わざわざ皇居まで足を運んでいましたね」

 災害が多かった平成にあって、両陛下は膝を折って被災者を励ますという、新しい公務の形を築いたのは周知の通り。感謝の念を伝えたい国民が多いのも頷けるが、渡辺氏はこうも言う。

「ご成婚当初から美智子さまは女性たちの憧れでした。私も美智子さまのファッションを見て、銀座のデパートに同じものを探しに行きました。今と違って専業主婦があたり前の時代、民間から嫁いで慣れない環境で懸命に公務をこなし、浩宮さまたちをお育てになった。そんなお姿を同時代に見てきた人であればあるほど、お慕いする気持ちが湧くのだと思います」

 だが、敬愛する対象が一線から退く。そのことで行き場を失った人々の気持ちはどうなってしまうのか。

 かの乃木大将に倣ったか、昭和天皇崩御の際も後追い自殺をした人々が5人出て騒動になったが、精神科医の片田珠美氏はこんな意見だ。

「美智子さまに憧れる方々は年配層が多く、いわゆる『ミッチー・ロス』のような状態が起こるのではないでしょうか。以前のように活躍するお姿が見られないとなれば、“私も終わりかしら……”と感じ、生活に張り合いを失くしてしまう。今や65歳を過ぎても働いている人は多いですが、やたらと周囲が“ひとつの時代が終わる”と騒ぐのを聞けば、これを節目と考えて“自分もそろそろ引退か”と思い始め、後を追うように仕事を辞める人が続くことも予想されます」

 まさに美智子さまは、ひとつの時代の象徴だった。

週刊新潮 2019年1月17日号掲載

特集「『御代替わり』7つの謎」より

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