“早稲田より慶應人気”人文科学系でも 「文学」「文化構想」「教育」学部それぞれの特徴

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ところで上智は…

 ところで掲載表を見て、上智大学が早稲田の合格者にほぼ蹴られているのが気になった方もいるのではないか。上智は1970年代後半から難易度が急上昇し、「早慶上智」と呼ばれるようになった。一時は、早慶や国公立大を蹴って入学する学生も少なくなかったが、

「2000年代以降、志願者が減りました」

 と、市村氏が言う。

「バブル崩壊後、国公立志向が高まるなかでも、看板の外国語学部と法学部は人気を維持していました。ところが、就職が比較的景気の影響を受けやすい文学部から徐々に志願者数が減少。04年、早稲田が講義を英語で行う国際教養学部を創設すると他大学も続き、上智の外国語学部の国際性という点での優位性がやや失われます。また新司法試験で、上智の法科大学院の合格率が低かったことから、法曹を志す受験生が減少。法学部の難易度も下がったと考えられます」

 その後、上智大も改革を重ねているが、かつての難易度は戻っていない。

 さて、早慶の人文科学系学部を志望するのは、どんな受験生なのだろうか。

「早稲田の文学部は、文学を学ぶために志望する人が多かったですが、いま文学系は人気がない。慶應も社会学専攻が人気です。最近は文学部も社会科学寄りのことを学びたい学生が増えている。いずれにせよ、入学後にこんなことを学びたい、という目的意識が明確な人が多いですね」

 大学通信常務取締役の安田賢治氏の話である。

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