「早稲田vs.慶應」進学するならどっち? データに表れた“歴然の差”のワケ
慶應人気を支える“イメージ”
慶應人気は、別の観点からも説明できそうだ。大学通信の安田氏が言う。
「昔は地方の生徒は早稲田、都会の生徒は慶應というイメージでした。ところが近年は地方から東京への進学者が減って、早慶ともに合格者の7割前後は1都3県の出身者です。でも、昔からのイメージが残っていて、東京の人は今も慶應を選ぶ傾向があるようです」
駿台の石原氏は、また少し違う角度から、
「東大や京大、一橋大の受験者が慶應を選ぶ理由の一つは、早稲田より規模が小さいからだと思います」
と言って、続ける。
「早稲田の規模の大きさは、30~40年前までは、いろんな人がいて自分にも居場所があると思える点で、地方出身者にプラスでした。一方、慶應は地方から進学するとオシャレな雰囲気についていけないと思われていた。でも今はテレビやネットの影響で、どこで育っても情報量は変わらない。むしろ大きいのは各家庭間の経済格差です。最近の成績上位層は中学受験時から偏差値で輪切りにされ、同程度の生活水準の人たちに囲まれて育っていて、規模が大きく多様な人間がいる世界に放りだされることへの恐怖感が強い。それが早稲田より慶應が選ばれる潜在的な理由だと思います」
ちなみに18年の入学者数は、早稲田が約9千人で、慶應が6千人台の半ばである。
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