日本で稼ぎたい放題の「GAFA」 太刀打ちできるか公取委

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「協力金」

 有識者会議の報告に先立つ今年10月、経産省は巨大IT企業と取引している2000社にアンケート調査を行っている。それによると、全体の6割近くが「不満を感じている」と答えている。

〈(商品が)理由不明のまま返品処理される〉

〈一方的に利用料を値上げされたり、有料サービス・機能の利用を強制される〉

〈手数料や罰金制度等の負担が重く利益が出ない〉

 といった声のほか、86%の業者が一方的に利用規約などを変えられたと答えている。

 実例を挙げると、昨年11月末から、アマゾンジャパンが日用品メーカーなどに“ベースコープ”と呼ばれる不透明な協力金の支払いを求めたケースがある。独占的な立場を利用してキックバックを要求したのではと見られ、公取委も立ち入り検査を行った。

「しかし、実態が表沙汰になるのは稀。取引を切られることを恐れて業者が黙っていたり、守秘義務契約を結ばされているからです。そもそもGAFAなどの巨大IT企業は、日本での情報開示に消極的で、業容をすべて明らかにしていません」(全国紙の経済部記者)

 世界中で数兆円~数十兆円の売上げがあるGAFAは、日本でも稼ぎまくっているが、表に出している数字はわずかだ。

 たとえば、アマゾンは2014年に日本で79億ドル(約8300億円)の売上げがあったのに、アマゾンジャパンが官報で明らかにした売上高は316億円。大半はアメリカ本社の収益としているからだ。また、純利益で約1兆9000億円を稼ぐフェイスブックも日本法人の純利益はわずか1102万円(17年)。よっぽど税金を払いたくないのだろう。

 公取委は来年1月から実態調査に入る。稼ぎたい放題のIT企業に、ペナルティを科すことができるのだろうか。

週刊新潮 2018年12月27日号掲載

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