年の瀬に「2018年連続ドラマ」を振り返る ベスト&ワースト3を発表(後篇)

エンタメ

  • ブックマーク

Advertisement

ベスト1位はやっぱり

アナ そしていよいよ2018年ワースト&ベスト3のラスト、ザ・ベスト・オブ・ベストの発表です!

林 10~12月期・TBS系・金曜夜10時、「大恋愛」!

アナ あの作品は、視聴率も最終回が13%を超えたおかげで平均10.11%と2ケタに乗せましたが、やっぱりコレを選びましたか、林さん。

林 読まれてたか。ここのところ誰に会っても「大恋愛」の話ばっかりしてたもんなぁ。戸田恵梨香の演技は、ケナし屋の柄にもなく絶賛しちゃったし。

アナ 幸薄そうな顔立ちの戸田さんが見せる幸せな表情、その落差が絶品だという話でしたね。

林 お、うまいまとめ。そう言われてみりゃ、落差とか格差とかの“差”があの作品の鍵だったね。戸田恵梨香とムロツヨシの差もデカけりゃ、アルツハイマー進行前の戸田と進行後の戸田の差もデカい。結婚相手としてのムロツヨシとTOKIO松岡(昌宏)の地位・収入の差、その松岡と恋に落ちる、戸田の母親の草刈民代と松岡の年の差、デビュー作以外は売れなかった作家のムロツヨシと、戸田との生活を描いてベストセラー作家に化けたムロツヨシとの差、後半突然乱入してきたアルツハイマー患者の小池徹平の無邪気な顔と不気味な言動の差、その他いろいろ、とにかく差だらけ、差まみれのドラマだった。

アナ だからこそ、あれだけ面白いストーリーになったんですかね。

林 アルツハイマーという病の使い方とか、小池が出てくる必然性とか、いくつか疑問はあったとして、でも大石静のオリジナル脚本はさすがの出来だったし、戸田はもちろん、ムロツヨシからその先輩格のサンドウィッチマン富澤(たけし)、TOKIO松岡に至る面々のキャスティングも見事で、いや本当に久々に連ドラらしい連ドラを堪能させてもらいました。

アナ 私も同感です。

林 「大恋愛」や「ぎぼむす」は物語の展開上、続編が期待しにくい作品だし「今日俺!!」も、原作漫画のラストまでストーリーが進んじゃったので単純なパート2は作りにくいんだけれど、ああいう、続きが見たくて仕方ない連ドラが2019年も、1作でいいから出てきてほしいもんです。

アナ 新年の幕開け、1~3月期の連ドラはどんな具合になりそうですか?

林 いいの、その話して? 暗い予想になっちゃうよぉ。

アナ このくだり、カットになります。では皆さん、よいお年を~!

林操(はやし・みさお)
コラムニスト。1999~2009年に「新潮45」で、2000年から「週刊新潮」で、テレビ評「見ずにすませるワイドショー」を連載。テレビの凋落や芸能界の実態についての認知度上昇により使命は果たしたとしてセミリタイア中。

週刊新潮WEB取材班

2018年12月31日掲載

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。