戸田恵梨香&ムロツヨシ「大恋愛」から考える若年性アルツハイマー 自宅でできる脳機能チェックテストも

エンタメ2018年11月22日掲載

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 戸田恵梨香主演のドラマ「大恋愛~僕を忘れる君と」(TBS系 金曜22時~)。戸田演じる若年性アルツハイマー病を患った女医・北澤尚と、ムロ演じる売れない小説家・間宮真司のラブストーリーを描いた作品だが、2人の好演が話題を呼び、回を追うごとに注目が高まっている。
 
 尚は、日常の端々にその病を感じさせる。物忘れをしたり、自分が今どこにいるのか分からなくなったり、時には、真司の名前を間違えることもある。それでも尚は「真司の存在が、私に生きる力を与えるの」と語る。

 第5話で描かれたプロポーズのシーンは、特に印象的だった。真司のプロポーズの言葉に尚が「いつか真司の事忘れちゃうけど、いい?」と訊くと、真司は「いいよ」と返し「結婚してくれる?」と再度尋ね、尚は「うん」と答える――。2人の繊細で温かい心のやりとりに、視聴者からは毎週感動の声が寄せられている。

 ドラマを見ながら、アルツハイマーという病について、思いを巡らせる方も多いのではないだろうか。尚がよく言う「いつか自分が誰かも分からなくなる病気」という台詞。若い尚に降りかかる余りに残酷な未来に、不安を感じる方もいるだろう。

 1千人近い認知症患者を診てきた医師の榎本睦郎先生の著書『笑って付き合う認知症』によると、若年性アルツハイマー病とは65歳未満で発症した場合を指し、アルツハイマー型認知症全体の5%程度だという。一般的なアルツハイマー病と違い、遺伝性が強いのが特徴で、70代や80代で発症する人に比べ病気の勢いが強いのだという。それでも榎本先生は「たしかに大変な病気ですが、あきらめてはいけません」と語り、ある症例を紹介している。

「これは、私の患者さんで60代前半にアルツハイマー病を発症したかたの話です。

 若年性アルツハイマー病ということでご家族が不安を感じ、ある先生の講演会に行ったそうです。そこで、『若年性の場合は進行が早いので、5年から6年で寝たきりになって亡くなります』と聞き、ますます不安になってしまったらしいのです。

 でもその患者さんは、私が診るようになってからもう1年になるのに、ひとりで卓球に出かけて楽しまれたり、社会生活が維持できている。ごく初期の段階で受診して治療を開始したことが、良好な経過につながったと思われます。

 心配されるご家族のかたに、私はこんなふうにお答えしました。

『若年性認知症であっても、その人に合った薬を飲んでいれば、坂道を転げ落ちるように進行することはないと思いますよ。何か問題が出てきたら、そのつど私が責任を持って一緒に考えますから大丈夫です』

 そうしたら、ご家族もひと安心され、今の言葉を支えに頑張りますと、言ってくださいました」(同書より引用)

 ドラマでも松岡昌宏演じる担当医・井原侑市が尚に、病気の進行を遅らせるために適度な運動やバランスの良い食事を心がけるように伝えていたが、榎本先生も「認知症の予防といっても、特効薬はありません。普通に考えて、健康によさそうなことをやっていく、そのことに尽きます」(同書より)とアドバイスしている。

自宅でもできる脳機能テスト

 榎本先生によると、認知症対策としてまず大切なのは早期発見だという。ドラマでは尚が井原医師からMCI(軽度認知障害)の疑いがあると告げられ、もの忘れテストを行うシーンがあったが、今回は同書から「自宅でできる脳機能テスト」を紹介しよう。

「まずは、最近のニュースで印象に残っているものを尋ねてみてください。

 政治情勢にしろ芸能ニュースにしろ、正常なかたの99%からなんらかの答えを得られるのに対し、アルツハイマー型認知症のかたの返答率はわずか2%。正常と認知症のボーダーラインにあって軽度認知機能障害といわれるかたも36%しか答えられないという低い数字が出ています。

 また、たんに答えられないだけでなく、注目すべきは『最近テレビは見ていないから』とか、『ニュースは知っているが印象に残ったものはない』という取りつくろいです。そういうこともあるだろうとスルーしてしまいそうですけど、こうした取りつくろいが、アルツハイマー型認知症のかたでは42%、軽度認知機能障害のかたでも23%の割合で認められるのです。もし、最近印象に残ったニュースを答えられない、または取りつくろいが認められるようなら、病院で診てもらうほうがよいと思います。

 2つ目の見わけかたは、1分間スクリーニングテストというものです。

『スクリーニングテスト』とは、ある病気が発症している人、あるいは発症することが予測される人を、ふりわけるテストのこと。1分間スクリーニングテストは、東京医科大学高齢診療科の羽生(はにゅう)春夫教授が開発したもので、1分間で動物の名前をいくつあげられるかで判断します。正常と認められる基準は13個以上。ただし、干支の順番で動物を並べるのはナシです」(同書より引用)

「大恋愛」は16日放送の第6話から第2章に突入した。穏やかな新婚生活を過ごす2人の前に、尚と同じく若年性アルツハイマー病患者の松尾公平(小池徹平)が現れ、視聴者も驚愕の不穏な行動を……。今後も尚と真司の“大恋愛”から目が離せない展開となりそうだ。

デイリー新潮編集部