日産「ゴーン追放計画」舞台裏 カリスマを地獄送りにした「米国人女性本部長」

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社内の「不正調査チーム」を管轄

 それは、グローバル内部監査室の本部長を務める米国人女性のことである。テキサス州の国際法律事務所を経て、06年、北米日産に入社し、14年から日産本社の勤務になっている。

 もともと、その本部長は社内の「不正調査チーム」を管轄する立場だった。

「しかし、今回、不正調査チームは蚊帳の外に置かれていました。何をしていたかというと、ゴーン逮捕の翌日、横浜F・マリノスの経理担当社員による約3300万円の私的流用が発覚しましたが、その調査などに当たっていたのです」(同)

 つまり、本部長は不正調査チームとは別に、極秘で取り組んでいたのである。

「専務執行役員は、ゴーンとともに逮捕された元代表取締役、グレッグ・ケリーの指示を受け、過少記載を行う“実行役”でした。本部長が、それを金商法違反に問うための法的な裏付けを探し出したと言われている。その結果、彼女がゴーンの不正行為を特捜部に告発する窓口になりました。さらに、もう1人のキーマン、未開示報酬の将来の支払いを示す“覚書”を管理していた元秘書室長も司法取引に応じさせ、ゴーンの不正を丸裸にしたのです」(同)

 碧眼の本部長の一刺しで、カリスマは地獄送りにされた――。

週刊新潮 2018年12月20日号掲載

特集「逆襲の『カルロス・ゴーン』」より

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