5年25億円契約「丸佳浩」に“2つの不安”、かつて巨人にFA移籍した広澤克実氏が指摘

スポーツ 野球 2018年12月24日掲載

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巨人独特のプレッシャー

 かつての広島ファンは、主力選手がFAでチームから離れることに寛容だった。プロ野球ファンには知られた話だ。

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 例えば投手の川口和久氏(59)は、1994年シーズンオフにFA(フリーエージェント)宣言を行った。本人は広島に愛着があったが、東京・日野市に住む妻の父親が体を悪くし、看病の必要が生じたという事情もあった。

 広島側も事情を受け止め、「気持ち良く送り出したい」と理解を見せた。もちろん、ファンも同じだった。そして当時の長嶋茂雄監督(82)から直接、声をかけられたこともあり、川口は巨人を選んだ。ちなみに妻の父親は、移籍を喜びながら、翌年の3月に死去したという。

 ところが今回、丸佳浩(29)が同じFAで巨人に移籍すると、広島ファンの一部は怒り心頭、ヒートアップする者もいるという。

 夕刊フジ(電子版)は12月5日、「丸の巨人移籍でおさまらない広島ファンの怒り! 『裏切り者』『金の亡者」などネット炎上 ユニホームも投げ売り“赤い雑巾”呼ばわり」の記事を掲載した。

 文中には、かなり刺激的なことが書かれている。広島ファンの“狼藉”を下に列挙させていただこう。

◆転売サイトで丸の関連グッズが「赤い雑巾 年末の大掃除にどうぞ」、「ゴミ」などのコメントを添えて売られている。

◆ネット上では「裏切り者」、「金の亡者」などの誹謗中傷だけでなく、脅迫に近い文言も飛び交っている。

 記事には「広島のメディア関係者」が登場し、状況を分析している。それによると、かつては優勝に見放され、観客動員も低迷していた。そのために「移籍しても頑張れよ」という雰囲気が醸成されやすかったという。

 ところが今の広島は、緒方孝市監督(49)のもとセ・リーグV3を果たし、MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島は超満員。NPBの公式サイトによると、2018年シーズンの広島主催ゲーム(72試合)の入場者数は223万2100人。セ・パ両リーグを合わせても、巨人、阪神、ソフトバンクに次ぐ4位だ。

 広島が強くなり、人気も増した。しかし、それが丸に対する心ない暴言を増やしているというのも皮肉な話ではある。

 もちろん、そうした雰囲気は、丸も把握しているだろう。そして「来季に好成績を残し、批判の声を払拭させる」と誓うに違いない。しかしながら、ここに落とし穴があるのだという。

 野球解説者の広澤克実氏(56)は、ヤクルト在籍時代の94年シーズンオフにFAを宣言。巨人に移籍を果たす。だが、待っていたのは厳しい現実だった。

 広澤氏のファンなら、99年シーズンオフに巨人から阪神へ再移籍し、それなりの輝きを取り戻したことを、ご記憶だろう。ヤクルト最終年、巨人移籍年と最終年、そして阪神の移籍年の、広澤氏の打撃記録を表にまとめた。ご覧いただきたい。

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