巨人入団の「岩隈久志」が来年4月で38歳 この年齢で活躍した投手は極めて少数

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38歳は引退も珍しくない年齢

 それでは「38歳の投手」たちは、その1年間で、どのような成績を残したのだろうか。更に誕生日の問題もある。4月以降に生まれた選手は前年・37歳の成績を、早生まれの選手は翌年・38歳の成績も調べてみた。

 今年18年シーズンの現役選手と、プロ野球界の歴代OB、2つの表をご覧いただこう。

 まず「18年現役篇」だが、岩瀬仁紀が10月に引退を表明し、五十嵐亮太は11月に戦力外通告が行われた。五十嵐はメディアの取材に「現役を続行したい」と答えているが、12月8日現在、去就は報じられていない。

 そして表からは、先発投手と中継ぎ(セットアッパー)、クローザーを混同してはならないことが分かる。やはり、高齢の先発は厳しい。18年現役組では5人の投手で、先発は山井大介だけだ。

 OBを足すと、合計13人の投手で先発は7人。セットアッパーとクローザーは6人となる。だが、桑田真澄は07年、39歳で渡米してピッツバーグ・パイレーツと契約。先発から中継ぎに転向し、19試合に登板、3ホールドを記録している。

 先発ピッチャーとして、04年に13勝6敗の成績を残した山本昌、13年に11勝13敗の黒田博樹は、例外中の例外と言っていい。現役の山井大介は今季、3勝6敗と存在感は示した。だがキャリアハイの13勝5敗(14年)の数字には遠い。

 あの“優勝請負人”工藤公康でも01年は1勝3敗で終わった。02年は9勝8敗だったが、もちろんベストの成績ではない。

 桑田に至っては、05年は0勝7敗、06年は1勝1敗と苦しみ抜いた2年間だった。ピッツバーグ・パイレーツで注目を浴びたのは前に見た通りだ。その後は08年1月に再びパイレーツとマイナー契約を結ぶも、メジャー昇格が絶望的となったことから3月に引退を表明した。

 言うまでもないが、今は知る人の少ない浜崎真二(1901〜1981)でさえも、高校時代は「神戸商の浜崎」、大学時代は「慶早戦のヒーロー」として、全国的な知名度を誇っていた。表の13人はいずれも、一時代を築いた名投手ばかりだ。

 そんな才能豊かな投手であっても、37歳、38歳という年齢は、引退と紙一重という状況であり、衰えが顕著になる時期なのだ。

 まして岩隈は17年9月に手術を受け、今季はマイナーでスタート。そしてメジャーには一度も昇格できないままで終えた。「来季に不安がない」と考える専門家やファンは皆無だろう。

 そして巨人に所属する選手に対し、世間の目は厳しい。スホーツ報知が報じたように、岩隈がチーム内の模範として寄与したとしても、5勝や6勝では評価されないだろう。

 巨人ファンには申し訳ないが、批判の対象となる5勝や6勝でも、まだまだラッキーな未来予測と言わざるを得ない。0勝7敗、1勝1敗で終わった「桑田真澄の二の舞」になってしまう可能性も、決して低くはないのだ。

週刊新潮WEB取材班

2018年12月16日掲載

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