戸田恵梨香「大恋愛」vs.新垣結衣「けもなれ」アラサー女優同士でなぜ格差?

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30代前半負け組女優へのアドバイス

 華道の家元の娘である石原が己の進む道に悶え、街の自転車屋の倅との格差恋愛に悶える「高嶺」、上司にも彼氏にも恵まれない新垣が仕事と恋の両方で獣になれずに悩む「けもなれ」。こういう“いろいろ難しいアラサー女が、さて恋愛で幸せになれるかどうか”がストーリーの軸になってる作品はコケた。

 契約結婚とはいえ綾瀬が夫の竹野内豊に先立たれて義理の娘を残される「ぎぼむす」、若年性アルツハイマー病の戸田が夫と子を残して先細っていく「大恋愛」。こういう“恋愛の先にある親子だ生死だっていう人生の大問題がどうなるか”までを描いた作品は当たった。

 ヘーセーも終わろうというニッポンでは、恋愛がゴールという射程の短い、ちょと前までは通用していた世界観はもう古いし、一方、生死とか、親子(生の前から死の後まで続く関係)とか、そういう射程の長い、ちょと前までは古臭かったテーマはまた切実なものになってきている。そんな実感は確かにあって(東京五輪だ大阪万博だと、国を挙げてどんどん昭和に逆戻り中だしね)、突き詰めれば単なる恋愛モノに終わる連ドラに出ちゃった石原や新垣はツイてなかった。。

 実は、沈んだ「高嶺」「けもなれ」はなぜか空気感が暗くて、かつ日テレ制作だし、浮いた「ぎぼむす」「大恋愛」はなぜか空気感が明るくて、かつTBS制作だしという第2、第3の共通点もあるんだけれど、今回は指摘だけにとどめておくとして、2018年の主演連ドラがイマイチだったアラサー女優の皆様、たとえば新垣、たとえば石原、そしてたとえば「コンフィデンスマンJP」の長澤まさみ(31)あたりには、来たる2019年に向けてアドバイスを4つほど──

アドバイスその1:前回スベったのが日テレとフジである以上、次はTBSに出ろ!
アドバイスその2:次の連ドラが恋愛モノだとしても仕方がないとして、少なくとも自分か相手役が、死ぬか死ぬほど酷い目に遭うかするのに、なぜか空気感は明るい脚本を選べ!
アドバイスその3:それが実の母であろうが義理の母であろうが、母親役を厭うな! 
アドバイスその4:ただし、●相手役が死んで自分が義理の母になる役、●自分が死ぬほど酷い目に遭って実の母になる役、ついでに●自分が死ぬほど酷い目に遭って義理の母になる役も避けよ! そりゃ「ぎぼむす」「大恋愛」、そして「この世界の片隅に」の焼き直しだ!!

林操(はやし・みさお)
コラムニスト。1999~2009年に「新潮45」で、2000年から「週刊新潮」で、テレビ評「見ずにすませるワイドショー」を連載。テレビの凋落や芸能界の実態についての認知度上昇により使命は果たしたとしてセミリタイア中。

週刊新潮WEB取材班

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