NTT上場に匹敵? 超大型「ソフトバンク株」は“買い”か

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〈ソフトバンクが上場するよ~!〉

 そのCMには犬のお父さんもいなければ上戸彩も出てこない。売りたいものが携帯電話ではなくて「株」だからなのか。12月19日、ソフトバンクグループの通信子会社「ソフトバンク」が東証1部に上場する。株式公開によって調達する金額は約2兆5千億円にものぼるという。

「公開規模は1998年のNTTドコモを超えて、87年のNTT上場に匹敵するレベルになるはずです」

 と鼻息を荒くするのは、証券会社の関係者だ。何しろ、同社はソフトバンクグループの中核会社。連結売上高が約3兆5千億円で、純利益では約4千億円を稼ぐ超優良企業である。

 振り返れば、NTT株の売り出しの際には6倍以上の競争率になり、一株約120万円があっという間に300万円を突破した。ソフトバンクも2倍、3倍の値上がりが期待できるのだろうか。ところが、

「あの頃とは時代が違います」

 とは、ロータス投資研究所の中西文行氏だ。

「ご存じのように携帯電話は日本中に普及していますから、今後大きく成長することはない。また、政府から“もうけ過ぎ”だとして4割の値下げを求められていることもマイナスです。加えて、来年10月には楽天が携帯電話に本格参入してくる。大手3社で分け合っていたパイがさらに小さくなるのです。上場直後はともかく、株価が急騰する理由が見つかりません」

 今回の売り出し株数は約17億株。最低単位の100株で計算すると約1700万人が買えることから、応募すれば、ほぼ“当選”できると言われている。

「毎日のように株式上場のCMを流しているのは、買い手が思ったより少なくて、公募割れ(初値が公募価格を下回ること)するのを防ぐためでしょう」(同)

 株式公開時の想定価格は約1500円。その後の株価は、白戸家に聞いても分かるまい。

週刊新潮 2018年12月6日号掲載

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