日本代表・不動の1トップ「大迫」に挑む「杉本健勇」、キルギス戦で露呈した課題

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やっぱり“半端ない”大迫

 大迫勇也(28)と杉本健勇(26)の“ライバル関係”が鮮明になってきている。キリンチャレンジ杯では、11月16日のベネズエラ戦で大迫が1トップで先発し、20日のキルギス戦では杉本が抜擢された。

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 豊田スタジアムで行われたキルギス戦で、日本は山中亮輔(25)の代表デビューゴールや原口元気(27)の直接FKなどで4-0の勝利を飾った。これで森保ジャパンは代表監督就任後の5試合を4勝1分けの無敗で終え、来年1月にUAEで開幕するアジアカップに挑むことになった。

 FIFAランク90位と格下(日本は50位)のキルギス戦では、森保一監督(50)はベネズエラ戦からスタメン11人を入れ替え、招集した全選手(GK東口順昭(32)をのぞく)を2試合で起用した。その狙いを「2チームぶん、それ以上の選手層を持って戦えるようにしたい」と語り、「まずは戦術面の浸透を図って、アジアカップでの戦いにつなげたい」と戦術面での意思統一をテーマに掲げた。

 このためチームのシステムは4-2-3-1を基本とし、マイボールの時はDFラインでパスを回しつつ、ベネズエラ戦ではボランチの遠藤航(25)が、キルギス戦では同じくボランチの守田英正(23)が最終ラインに落ち、CBがワイドに広がる3バックを採用。そして両SBは高い位置取りの3-4-3へと変化する。

 一方、相手がボールを保持しているときは、1トップでは相手の4バックにプレスがかからないため、トップ下の南野拓実(23)や北川航也(22)が1列前に上がり2トップとなり、両サイドのMFは下がって中盤をボックス型の4-4-2に移行する。この基本フォーメーションはキルギス戦でも変わらなかった。

 そしてマイボールになったら、1トップの大迫や、杉本に速くて強いパスを出し、彼らのキープ力から南野経由で両サイドのMFやSBの攻撃参加からゴールに迫るというものだった。

 ベネズエラ戦では、大迫はシュート0本と物足りなさも感じたが、それでも68分の出場で13回のポストプレーを成功させ、攻撃陣のリーダーとしての役割を果たした。元々ポストプレーには鹿児島城西高校時代から定評があり、一躍有名になったフレーズである「大迫、半端ないって」も対戦相手の滝川第二高校のDFが「大迫、半端ないって。あいつ、半端ないって。後ろ向きのボール、めっちゃトラップするもん。そんなんできひんやん普通」と発言したことからきている。

 ちなみに2018ユーキャン新語・流行語大賞の候補に選出されたことについては「僕が発信していることではないので、なんとも言いがたいです。ただ、サッカーの話題に触れられると思うし、サッカーに興味のない人たちも含めてすごくうれしいことではあるんじゃないですか」と話していた。

 大迫に比べキルギス戦の杉本は、59分の出場で成功させたポストプレーは7回。ベネズエラ戦に比べてキルギス戦のチームは完成度が低いこと、相手は5バックで守備を固めたせいもあるが、トラップが大きくなり相手にカットされたり、落としのパスの精度を欠いたり、インターセプトされることも何度かあった。

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