宮司交代の靖国神社、背景に内部闘争か 創立150周年を控えてのゴタゴタ

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不敬発言流出はクーデターという「靖国神社」神々の権力闘争(2/2)

「週刊ポスト」が報じた「不敬発言」によって、靖国神社のトップである小堀邦夫宮司(68)はその座を追われることとなった。会議で発した〈今上陛下は靖国神社を潰そうとしているんだよ。わかるか?〉などの言葉が問題視されたものだが、靖国神社関係者は、その背景の“クーデター”の存在について言及する。

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 問題の調査にあたっては、発言を流出させた職員に処分を下さないことが決められたうえで、内部調査報告書が作成される経緯を辿った。報告書で「流出犯」に近いと認定されたのは、小堀氏の前任の徳川康久氏(70)グループの職員だったが、

「要は徳川グループが小堀宮司の転覆を画策し、その『実行犯』がバレそうになって、そいつを絶対に守らなければいけないと考えた上での『不処分の出来レース』なのではないかと目されているんです」(神社界関係者)

 徳川家の末裔である徳川氏は、賊軍の合祀に理解を示す発言や、LEDを用いた「プラネタリウム化」を進めるなどの行動が問題視され、今年2月に宮司を退任している。その立て直しを任されたのが、小堀氏だった。

「しかし、徳川時代から続く靖国神社の『惨状』から脱却するのは至難の業だったようですね」

 と、神社界の事情通が説明する。

「プラネタリウム化に象徴される神社の『見た目』や『体裁』を気にする一方、その『内実』は荒(すさ)んでいた。一例を挙げると、靖国神社に勤める者としての意識が低すぎるのではないかとの懸念から、今夏、神職に対して簡単な『テスト』が行われました。その内容は、『東京招魂社(靖国神社の前身)』『戊辰戦争』『版籍奉還』『満州事変』等、靖国神社と縁のある言葉を漢字で書けといったような極めて初歩的なものも含まれていました。神職たちの間では、『俺たち、こんなことを試されるほどダメなんだ』と、落胆の声が広がったそうです」

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