新番組「99人の壁」でボケもツッコミも自由自在 俳優「佐藤二朗」はフジを救えるか?

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入社2年目ADの企画

 これが10月20日にスタートした新番組「超逆境クイズバトル!! 99人の壁」の冒頭である。同番組は、これまで佐藤の司会でパイロット版が3回放送されている。

●第1弾 2017年12月31日(日曜:午前10:00~10:55)

●第2弾 18年4月5日(木曜:午後10:00~11:34)

●第3弾 18年8月15日(水曜:午後7:00~9:00)

 曜日も時間帯もバラバラだった。

「第1弾の視聴率は2.9%(ビデオリサーチ調べ・関東地区:以下同じ)、しかも大晦日の午前の放送でしたから、ホントに実験的だったかもしれません。当時入社2年目の千葉悠矢ADが、企画プレゼン大会で優勝してできた番組だそうです。それが第2弾(5.8%)、第3弾(4.3%)と続きました。これだって、低迷するフジとはいえ、合格点という数字ではないんですよ。しかし、企画の評判は業界でもよかったんです」(民放プロデューサー)

 職業、性別、年齢も関係ない一般公募による100人の参加者の中から1名がチャレンジャーとなり、1人vs 99人に別れての早押し対決。チャレンジャーが5問続けて正解すれば100万円をゲットするというもの。

「参加者に自分の得意なジャンルを事前に聞いておき、それに添った問題を作るというのが斬新です。答えられるのが当たり前と思われるかもしれませんが、敵は最終的に99人にまで増えるから、チャレンジャー以上にそのジャンルに詳しい人も出てくるわけです。実際、パイロット版の第1弾でも、レギュラー第1回でも、100万円を獲得できたチャレンジャーは出なかった。そのあたりのドンデン返しも面白く、8月に放送された第3弾は、放送批評懇談会よりギャラクシー賞(月間)が与えられています」(同・民放プロデューサー)

 企画を考えた千葉ADが司会に指名したのが佐藤だった。

「“MCを演じる佐藤二朗で”と出演依頼したそうです。当時、佐藤さんも初めてのMCに抜擢されて、〈僕をMCに起用するという無謀な企画を通したフジテレビの懐の深さに驚きました。まあでも、大晦日だし、お祭り気分で、最初で最後のMCのつもりでお引き受けしました〉と答えていたほどでした。まさか本当にレギュラー化するとは思っていなかったでしょうね。実際、パイロット版の最初の頃は、確かに“MCを演じている”ようでした。そもそも佐藤さんは、イジられて面白さが出るタイプ。自虐キャラや冴えない男、変なおじさん役が似合う役者ですから、司会は向いていないのではないかと思っていました。けれど、段々と参加者をイジるようにもなってきた。特に子供、自分にも小さいお子さんがいるせいか、子供の扱いが上手いですね。ただ優しく接するのではなく、強弱をつけたツッコミや、そこに自虐ボケを挟んだりと、器用なんです」(同・民放プロデューサー)

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