積水ハウスが引っかかった“55億円詐欺” 間一髪逃れた「大手デベロッパー」と「地面師」との交渉
東京・五反田の土地をめぐる土地取引で、積水ハウスが地面師たちに55億円余を騙し取られた事件。確認を怠って罠にハマった積水とは裏腹に、貧乏神から逃れた大手デベロッパーもある。
「五反田の土地に関する話が転がり込んできたのは16年の7月でした」
と、さる不動産業者。地面師たちとの交渉のひとくさりを明かしてもらおう。
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「代金は70億(円)。僕はすぐにある大手デベロッパーに持ち込みました。そちらで話を進めてもらいつつ、新橋のルノアールで小山(フィリピンに逃亡中の小山操容疑者)と所有者役のおばさん(羽毛田(はけた)正美容疑者、偽造有印私文書行使容疑などで逮捕)に会ったんです。紹介者を名乗る小山はちゃんとしたスーツを着ていたけど、“名刺は忘れた”と。おばさんは白いワンピースに高そうに見える真珠のネックレスというスタイルで。今から思えば、そこらへんのバッタもん屋で1千円くらいで売ってるやつなんでしょうけれど。これがよく喋るんですよ。“昔からあの辺の地主でしたが、体調を崩してからは墨田区のどこそこのマンションに住んでいます”みたいなことをもっともらしく。“早く処分して施設に入る”とも言っていてね、早口でね、ええ、本物っぽかったです」
手に取ったパスポートには台湾への渡航記録もあったというが、
「パスポートや免許証のコピーはあるのに権利証のコピーはくれない。怪しいよね、絶対。稟議に回すにはどうしても権利証が必要だと頼むと、渋々コンビニでコピーさせてくれた。結果的にこれで、僕や大手デベロッパーは助かったのです」
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