20億円濡れ手で粟「ジェイコム男」の「ススキノ進出」目論見書

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購入はキャッシュ

 超高級マンションの一室で億単位を動かすトレーダーと、ススキノ。どうもしっくりこないが、ある投資家は次のように語る。

「この手の繁華街の“売り物件”を個人が取得することはまずありません。ファンドや企業が買収してビルを建てるのが普通です。彼の資産を知っている会社が持ちかけたのでしょう」

 登記簿では、土地取得は14年7月となっていた。地元の不動産業者に訊くと、

「あの界隈の坪単価はいま、350万円ほど。土地は40坪弱なので1億4千万円ほどだったと思います。テナントにとって魅力的な上物を建てるなら5億円ほどかかるかな。でもここは場所がいいから建てれば儲かる。だから地元の業者は、地主さんに売ってくれと頼んでいたんですけどね」

 その、首を縦に振らなかった地主が語る。

「個人に売却したのはキャッシュだったからです。売却当時の坪単価は200万円ほど。条件のいい売却先を知り合いの不動産屋に頼んでいたのです。うちには借金もあったのでね……」

 ポンと8千万円。ジェイコム男からすれば決して高い買い物ではなかろう。

 しかし、40坪弱の土地でなにを目論んでいるのか。先の不動産業者が言うには、

「通りを挟んだ一角が建物の老朽化で再開発され、ビジネスホテルが建つんです。そうすれば、飲食ビルは確実に繁盛します。坪単価も上がるし、ビル建設後でも買い手はつくでしょう」

“虚業”と“実業”。目指すは流行りの二刀流?

週刊新潮 2018年10月25日号掲載

ワイド特集「誰がために金に成る」より

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