お家芸危うし 「空手」“男女エース”が不覚で東京五輪に暗雲

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 お家芸危うし、である。

 東京五輪で新たに加わる5競技。金メダルの数は、「野球/ソフトボール」「スポーツクライミング」「サーフィン」は男女各1、「スケートボード」は各2だが、「空手」は各4もある。形(かた)が各1で、組手が体重別に各3階級あるのだ。

 先頃、「プレミアリーグ」という、世界選手権に次ぐ国際大会が初めて東京で開催された。いわば東京五輪の予行演習である。

 形は、男子の喜友名(きゆな)諒(28)、女子の清水希容(きよう)(24)の両エースが危なげなく優勝した。

「形は、トーナメント形式とはいえ、別々に演武するので、完全に自分との戦い。畳に上がりさえすれば、五輪本番も金は確実です」

 とスポーツ紙五輪担当記者が語る。

「問題は組手。文字通り相手と組むので、不確定要素がある。それが今大会、悪い形で出てしまいました」

 男女各5階級ある今大会の組手で日本勢が金メダルを獲ったのは、女子2階級、男子は1階級のみだった。

 とりわけ痛恨だったのは、男子84キロ級の荒賀龍太郎(28)と、“空手界のきゃりーぱみゅぱみゅ”の異名を持つ女子68キロ超級の植草歩(26)の敗退である。ともに前回の世界選手権王者で現世界ランク1位、と押しも押されもせぬ“組手のエース”のはずだったが、

「植草は準々、準決勝とポイントで勝てずに旗で辛勝し、決勝では同22位のフランス選手に完敗した。“研究されていた”と嘆いていましたが、1位が研究されるのは当たり前。それを乗り越えなければ、真の1位とは言えません」

 荒賀に至っては準々決勝で同35位のカザフスタン選手に逆転負け。

「決勝前日で空いていたにもかかわらず“周りの声援が気になりすぎて、集中しきれなかった”と。東京五輪が思いやられます」

 11月の世界選手権で雪辱を期すべし。

週刊新潮 2018年10月25日号掲載

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