ウルグアイ戦「南野拓実」「中島翔哉」2人のファンタジスタが誕生した瞬間

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日本代表に“決定力”が備わった

「ファンタジスタ」というイタリア語を、大辞林(三省堂)は、「卓越した技術をもち,華やかなプレーで観客を魅了するサッカー選手」と定義する。16日のウルグアイ戦で2得点を挙げた南野拓実と、2人のマークを瞬時に外した中島翔哉に対して、これ以上相応しい形容はないだろう(取材・文:六川亨)

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 国際親善試合、キリンチャレンジ杯の日本対ウルグアイ戦が10月16日、埼玉スタジアムで行われ、日本は南野拓実の2ゴールなどで4-3の勝利を収めた。長友佑都、吉田麻也、酒井宏樹、柴崎岳らロシアW杯に出場した4人が、W杯以来の先発出場となった代表戦。FIFAランク5位の強豪ウルグアイ相手に森保一監督は「いまの我々の力を測るには最高の相手だと思います」と南米の古豪との対戦を楽しみにしていた。

 過去の対戦成績は日本の1勝1分け4敗。6試合での失点は18点と、個人技とカウンターからの失点で辛酸をなめてきた。しかし森保ジャパンは一度もリードを許すことなく打ち合いを制し、71歳の名将オスカル・タバレス監督をして「日本は非常にいいチームで、勝利にふさわしいチームだった。日本がウルグアイを上回っていた」と言わしめる完勝だった。

 パナマ戦では日本の攻撃パターンの1つとして、両サイドバックから1トップの大迫勇也へのダイアゴナル(斜め)のパスを指摘した。パナマ戦ではゴールに結びつかなかったが、ウルグアイ戦では狙いとする形から先制点を奪った。

 前半10分、左サイドでボールを持った中島翔哉のカットインからゴール中央で待つ南野に速くて強いグラウンダーのパスが出る。すると南野はワンタッチで反転してマークをかわすと、ドリブルで右に運びながら先制点を流し込んだ。

 1-1の同点にされた後の前半33分には右サイドの酒井がゴール前中央で待つ大迫にダイアゴナルのパス。大迫の前に堂安律がスルーしたためウルグアイDF陣は意表を突かれ大迫をフリーにしてしまう。残念ながら大迫のシュートはクロスバーを越えたが、両サイドから「1トップへ速くて強いグラウンダーのパス」という共通意識は、海外組が合流して2試合目で早くも浸透しつつあるようだ。

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