新垣結衣「獣になる」? 新ドラマに見る“ガッキー無双”のその先は…

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綾瀬はるかの成功に見る、ガッキー無双のその先は

 人間は「ギャップ」が好きである。雨の中で子猫を拾う不良少年。喪服で淫らに乱れる人妻。ガッキーが「デキる女なのに控えめ」で受けたのも、「デキる女は生意気」という世のイメージがあってこそのギャップだろう。そして、このギャップ理論によるもう一人の成功例が綾瀬はるかではないだろうか。

「清純派」と呼ばれ続ける綾瀬はるかの息が長いのは、30歳になる手前あたりから少し役柄に幅が出てきたことが大きい。たとえば最近では「精霊の守り人」や「奥様は、取り扱い注意」、そして今夏ドラマでも好評だった「義母と娘のブルース」。女優によっては年を重ね、裸を伴う濃厚なラブシーンを選んでステップアップを図るタイプもいる。でもあえてその道は選ばず、「清純でかわいい顔なのに、アクションもできる意外さ」「天然ぽいのにコメディもやれる器用さ」、というギャップを見せた戦略が、さらに綾瀬の人気を底上げしているのではないか。

 欲を言えば、ガッキーも同じように「いい子で完璧なんだけど報われない」役からの脱皮を見てみたい。もちろん、「リーガルハイ」などのコメディエンヌぶりは素晴らしいが、あともう少しだけ、「獣」感を見せてはくれまいか。余談だが、綾瀬や石原さとみ、長澤まさみらと比べると、主演級であだ名が定着している女優というのも珍しい。それだけお茶の間に愛されているという証でもあるが、ガッキーがガッキーと気安く呼ばれなくなった時に、新垣結衣の進化は始まるのかもしれない。

 1話のラストで、それまでのOL風ファッションから一転、ブーツにレザージャケットにサングラスというモードなファッションに武装し、「獣」の片鱗を見せたガッキー。この先ドラマで、彼女が本当に「獣になる」瞬間は来るのだろうか。それともやっぱり、「獣になれない」自分を受け入れていくのか。

 とにもかくにも、吠えようが牙をむこうが、現時点ではどうにも「獣になりきれない」かわいい姿に、ガッキー無双は長期化しそうだな、と予想している。

(冨士海ネコ)

週刊新潮WEB取材班

2018年10月16日掲載

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