大台の日経平均 “勝率7割超”の投資家はあの「光通信」

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20倍の銘柄も

 もっとも、ここ数年、重田氏が表舞台に出ることは少なくなっていたが、株式市場では相変わらず名を馳せていたのだ。

 ところで光通信が選んだ銘柄は、どのくらい値上がりしているのだろうか。

 同社が提出した大量保有報告書によると、昨年12月以降、新たに5%以上の株を取得した会社は21銘柄。これらを今も保有しているとして、値上がりしたのは15銘柄ある。勝率が71%だから、かなりの“腕前”だ。

 そこで、光通信に聞いてみると、

「全体で何社に投資しているかコメントできませんが、たしかに、値上がり益を目的とした“純投資”として資産を運用しています。投じている資金は約1090億円。評価益は約340億円になる。銘柄は重田(康光会長)の判断もありますが、社内に投資を担当する部門があり、運用の専門家たちで選んでいます」(広報担当者)

 運用額も利益も、プロの機関投資家と遜色ないレベルなのだ。

 最近では、4月に不動産業の「エムティジェネックス」に大株主として登場すると、ツイッターで煽る投資家も現れて、2千円台から4万2千円にまで暴騰するという一幕もあった。“光モノ”に追随したら20倍の儲けが転がり込んでくるのだから、ひと山あてたい投資家が注目するわけである。

 もっとも、経済評論家の杉村富生氏によれば、

「光通信が買っている株は、ワッと人気が出たと思ったら、すぐに急落してしまうものもあります。こう言っては何ですが、会社の将来性を見据えた長期投資というより、昔の仕手筋のようなイメージを抱かせますね」

 兜町には、いずれは日経平均3万円という声もある。

“光モノ”が持て囃されるのは、バブル再来の前兆なのか。

週刊新潮 2018年10月11日号掲載

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