朝ドラ「そよ風ファン」の“リアル”資金繰り秘話 原案メーカー創業者が語る

企業・業界2018年9月22日掲載

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 19日に放送されたNHK連続テレビ小説「半分、青い。」は、主人公の鈴愛(永野芽郁)と幼なじみの律(佐藤健)が早朝のオフィスでキスをするという衝撃的な展開でネットをざわつかせたが、2人の本来の目的である「そよ風の扇風機」の開発もいよいよ大詰めを迎えるようだ。

 すでに明らかになっているように「そよ風の扇風機」のモデルは、新進家電メーカー、バルミューダの大ヒット商品「グリーンファン」だ。社長の寺尾玄みずからがドラマに原案協力し、技術指導に当たっている。20日の放送では、ついにデモ機が完成し、「そよ風ファン」という名称も決まった。残る課題は量産化のための資金集めだが、実際のバルミューダにとっても、そこが最大のハードルだったという。(以下、寺尾玄著『行こう、どこにもなかった方法で』より参考、引用)

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 当時、バルミューダはリーマンショックの影響で赤字が続き、倒産寸前だった。「どうせ倒れるなら、前に倒れようと思った」寺尾は、ずっと夢に描いていた扇風機「グリーンファン」の開発を決意する。そしてドラマと同じように、いくつもの技術的ハードルをクリアして、グリーンファンを生みだすことに成功する。

 しかし、それを商品化するためには、金型代と初期在庫費用をあわせて6千万円が必要なことがわかった。もちろん赤字の零細企業にそんなお金はない。

「私は資金調達に奔走した。訪ねられるだけの銀行を訪ね、あらゆる助成金を調べて申請し、投資をしてくれる人を探すために知り合いのつてを使ってたくさんの人に会いに行った」

 当然ながら、銀行の対応は厳しかったという。

「面白い技術だというのは分かります。だけど赤字続きの会社に年商を超える額を融資する銀行はないでしょう。それよりも、この経営状況をどうするのですか? 夢みたいな商品の開発をしている場合ではないのではないですか?」

 結局、あらゆる銀行に断られ、すべての助成金に落ちた。そのとき寺尾は起死回生の一手に出ることになる。寺尾がどうやって資金繰りをつけ、“そよ風ファン”グリーンファンの発売にこぎつけたのか。21日の放送を見ると、お騒がせ男の津曲雅彦(有田哲平)がその役を担いそうだが……。寺尾の開発ストーリーのなかにヒントが隠れていそうだ。

デイリー新潮編集部