“死んだら買い足せばいい”――猫カフェ最大手「モカ」で虐待発覚 ウイルス感染で次々と…

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「昔の病気」が続々発症

 それを検証する前に、捨て置けない記述を紹介しておく。本誌(「週刊新潮」)が入手した、「モカ」各店の社内チャットによる業務日誌からの引用である。たとえば、17年11月29日付には、

〈現在、竹下店と新宿店でパルボが出てしまっています。感染を広めないために、パルボ店舗へ用事がある際は最後にまわる。どうしてもパルボ店舗から他店舗へ行く際は、着替えをするなどご協力よろしくお願いいたします〉

 等々書かれている。遡って16年7月12日付にも、

〈茶スコがパルボウイルスというものに感染しました。致死率とても高いです〉

 立川店で感染が発覚する直前の今年6月4日にも、

〈先日渋谷店でパルボが出てしまいました。店舗全体清掃はしましたがもしもの事がありますのでしばらくは行かないようにした方が良いかと思われます〉

 と記されている。「昔の病気」であるなら、こうも頻繁に感染するのは、異常事態というほかない。

元社員が証言

 最近まで「モカ」に勤めていた元社員が、重い口を開いた。

「今回は内部告発があって話題になったので、いやいや公表しましたが、実はモカではこれまでに、6店舗でパルボの感染症が見つかっていました。渋谷店、原宿竹下通り店、新宿店のほかに、池袋西口店、同東口店、いまは運営主体が変わっている『僕と猫。』秋葉原店です。今回、立川店で7匹が死んだので、全部で20匹近くがパルボで死んだことになります。ところが、以前の6店舗のときは、社内チャットで情報は共有しても、店を閉めたり公表したりはしませんでした。新宿店でパルボが出たときは、責任者が社長に営業休止を訴えましたが、社長は“猫が死んだら買い足せばいい”と言うだけでした」

 ちなみに、ある猫カフェ経営者に尋ねると、

「野良猫を扱う“保護猫カフェ”では時々、感染する猫がいるけど、ワクチン接種でほぼ100%防げるので、普通の猫カフェで感染したケースは、これまでほかにないはずです」

 とのこと。なのにモカでは頻繁に感染しているのだ。再び元社員が打ち明ける。

「このワクチンは生後2カ月で1回目、その2、3週間後に2回目を打ち、その後は体に馴染ませるために最低1週間休ませます。ところが、モカでは1回目のすぐあとに2回目を打ったり、2回目を打った翌日に店舗に出してしまったりするので、ワクチンが効果を発揮しない。実際、立川店で死んだ7匹は生後数カ月の子が中心。ワクチンが効いていなかったことが原因だと思われるんです」

 竹中獣医師も補足する。

「ワクチンを打った翌日に店に出したら、打った意味がまったくありません」

 加えて、元社員が強調するのは、猫たちの“労働環境”についてである。

(2)へつづく

週刊新潮 2018年10月4日号掲載

特集「ウイルス蔓延で50匹死亡! 『AKB48』も通いつめる猫カフェ最大手『モカ』の子猫虐待」より

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