「ファン・ビンビン」失踪で分かった「中国映画」バブル

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 中国は、「くまのプーさん」の実写版映画が上映禁止である。習近平国家主席に似ているためだという。そんな厳しい弾圧の国で、女優のファン・ビンビン(37)の消息が途絶えている。この異常事態から、中国映画界の状況が透けて見えてきた。

 ハリウッド映画「X-MEN」シリーズにも出演し、世界をまたにかけて活躍するファン・ビンビン。日本でも烏龍茶のCMで知られる。その美貌から“現代の楊貴妃”と呼ばれる彼女が、

「今年6月のSNS更新を最後に、3カ月以上も姿が確認されていない。“失踪”と見られているんです」

 と、大手紙の北京特派員。

「彼女は、米誌フォーブスの2015年世界高収入女優ランキングで、約23億5千万円で4位にもなった大女優。なので、化粧品の広告に出ればすぐに品切れになるし、彼女の、眼鏡の広告ポスターも街じゅうに溢れていましたけど……」

 見かけなくなったという。

「それもこれも、今年5月末、国営中央テレビの元キャスターが、ビンビンさんの脱税疑惑をSNSで告発したのがきっかけです。このとき彼女は新作映画の撮影中でした。でも、告発直後に行方知れずとなったのです。8月公開予定だった、ブルース・ウィリスも出ている映画のポスターからも名前が消されていました」

 鳥肌が立つような話だ。

「その正確な理由は不明ながら、映画出演の報酬などの脱税で税務当局に調べられているからとされています。それで自宅などで軟禁状態ではないか、と。中国外務省の会見で彼女について質問しても、無視です」

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