「ファン・ビンビン」失踪で分かった「中国映画」バブル

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中国要素

 中国映画界と接点のある日本人プロデューサーの話。

「いま中国映画界はバブル状態にあり、脱税が横行しているのです。彼女のように世界的な女優であっても、“脱税は許さない”という中国当局の意思表示でしょう。人民には、十分な見せしめになると思います」

 疑惑の真相は藪の中だが、映画界の活況が見えてきた。中国事情に詳しいジャーナリストの高口康太氏が言う。

「中国の映画館に設置されたスクリーン数は、最近、北米を抜いて世界1位となりました。興行成績も、今年アメリカを抜くかどうかという状況。なので、ハリウッド映画も中国を市場として強く意識しています」

 その顕著な例としては、

「『インデペンデンス・デイ』の続編に出てくる牛乳は中国の『蒙牛』ですし、『トランスフォーマー/ロストエイジ』の舞台設定は中国になりましたから」

 こうした流れはしばらく続きそうで、

「五輪の最高位パートナーになったIT大手『アリババ』の『アリババ・ピクチャーズ』も力を入れていますし、『ゴジラ』を製作したアメリカの会社も中国企業が買収済み。ますます、“中国要素”が詰め込まれるでしょうね」

 バブルが弾けないうちに、スクリーンでもう一度、“楊貴妃”を見られるだろうか。

週刊新潮 2018年10月4日号掲載

ワイド特集「告発の行方」より

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