「新・人間革命」終了で脱「池田大作」という「創価学会」の揺らぐ明日

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“池田カラー”の払拭

 だが、ある古参の学会員はこう指摘する。

「そもそも、池田先生が前作の『人間革命』の執筆を始められたのは沖縄の地でした。戦争の犠牲になった島には、核も基地もいらない、県民に負担を強いるなと主張したのが池田先生です。そのような教えを信じてきた会員の中には、自公政権が進める安保法制や辺野古の問題などで、公明党は変わってしまったと不信感があるのです」

 奇しくも、連載終了は沖縄県知事選が告示される5日前のことだった。

「知事選の争点は『辺野古問題』で、地元、公明党沖縄県本部は移設反対の立場なのに、公明党の山口代表ら党執行部は自民党系の候補に推薦を出した。学会内で捻(ねじ)れが生じていることもあり、票固めに躍起の山口代表は、首長選では異例ともいえる沖縄入りを決めました」(県政担当記者)

 知事選が象徴するように、安倍政権と一蓮托生の公明党を支える学会執行部にとって、その体制が揺らぎかねない“池田カラー”の払拭が、連載終了の背景にあると先の乙骨氏は指摘する。

「昨年9月、創価学会は規範となる『会憲』を制定し、本尊や教義の抜本的な変更を行っています。その目玉は、原田会長の権限強化に他なりません。池田氏が会長を務めている創価学会インタナショナル(SGI)が学会の下部組織となったことで、既にSGI会長も学会の指揮下に入った。事実上、池田氏がいなくても学会は動かせるという“ポスト池田体制”が、名実ともに完成した帰結が、連載終了に他なりません」

 もの言わぬ池田氏は、信濃町の奥の院で何を思うか。

週刊新潮 2018年9月27日号掲載

ワイド特集「沈黙は金」より

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