「新・人間革命」終了で脱「池田大作」という「創価学会」の揺らぐ明日

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〈小説「新・人間革命」が本日、ついに連載完結を迎えました〉――9月8日付の聖教新聞一面に掲載されたのは、創価学会の原田稔会長の談話だ。あの池田大作名誉会長の“代表作”が読めなくなる。その背景には、学会の揺らぐ明日が見え隠れしているという。

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 連載をまとめた新刊が出ると、書店のベストセラーとして棚に並ぶ。そんな事情から、図らずも『新・人間革命』の書影に、見覚えのある方もいるだろう。

 その中身は、創価学会3代会長・池田氏の一代記だ。前作「人間革命」と合わせれば、実に50年以上続いた長期連載だったが、

「60年にわたって創価学会に君臨してきた池田氏の時代が、事実上終わったことを象徴する出来事ですね」

 とは、学会に詳しいジャーナリストの乙骨正生氏だ。

「前作『人間革命』は、2代目の戸田城聖会長が亡くなるまでが書かれ、『新・人間革命』は3代目の池田時代を描いている。連載は2001年頃の様子を書いて終わりましたが、本来なら執筆者とされる池田氏の息が絶えるまで書き続けるべきもの。それを途中で止めるのは、おかしな話です」

 そもそも、健康不安説が絶えない池田氏は、8年前から公の場に出ることなく、ごく一部の幹部を除き、学会員ですら生の姿を見た者は皆無といっていい。

 ということは……と思わず勘繰ってしまうムキもあろうが、学会にも言い分があって、連載が開始された1993年の時点において、“書籍が30巻に達したら完結する”と明言している。その時が来たので終了したまでだと言うのだ。

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