1作品の予算は10億円の予算! 撮影現場“潜入”エピソード 爆笑「中国抗日ドラマ」対談

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潜入した撮影現場は…

岩田 ところで、西谷さんが潜入した抗日ドラマの現場は、どんなものでしたか。

西谷 浙江省東陽市という上海から鉄道とバスを乗り継いで4時間ぐらいの場所に、「横店影視城」という巨大な映画村があって、そのなかで撮影しました。映像関係者のツテを頼り、日本兵役として反日ドラマに出演することになったんです。そのあたりの事情は週刊新潮(14年5月8日号)に書いたり、『ルポ 中国「潜入バイト」日記』にまとめました。

岩田 スタッフたちは、やはり反日的な人が多かったんですか?

西谷 当初はそう思っていましたが、そんなことはなかったです。むしろ現場は「映像作品を作りたい」というのが第一にあって、扱っているのがたまたま反日作品だという感覚なんです。

岩田 特に主義主張があるわけではない?

西谷 はい。20代の共演者に話を聞いたら「日本に対しては好きも嫌いも特にない」と語っていましたし、自分たちの作っている反日ドラマと実際の日本人や日本という国が、あまり結びついていないようでした。ただ、そういう人々がある意味、無邪気に反日作品を量産し、社会全体に日本に対するネガティブなイメージを広げていくのは気味が悪いですね。

岩田 昨日、抗日ドラマに出演したことのある日本人俳優と会って話を聞いたんです。出ている本人は「どこのシーンを撮っているかまったくわからない」と。あと「撮影のスピードが日本と全然違ってすごく速い」とも。セリフや脚本はあるものの、あまり覚えてこなくてもよいということでしたね。なんでも、「助監督が後ろからわーっとセリフを言うのでそれについて復唱すればいい」のだと。いずれにせよ、「日本じゃありえない現場だ」と言っていました。

西谷 私の出演した作品でも、周囲の俳優たちは、「俺らは何のシーンに出てるのかよくわからん。とにかく監督の指示通りに動けばいいから」と言っていましたね。作品を見てみないと、主役とかでない限り、出演者も全体像を把握できないのだと思います。

(3)へつづく

週刊新潮 2018年9月20日号掲載

特別対談「日本軍に美人少佐? 鬼畜兵が中国女性を緊縛! 『中国抗日ドラマ』は爆笑コメディ」より

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