〈詐欺とも言える行為〉〈目に余るハラスメント〉 文書が示す「速見佑斗コーチ」が抱えていた問題

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再び体罰・暴力を

 次の「裏づけ」は、セインツ体操クラブの林正和理事長から日本体操協会に送られた〈速見佑斗コーチ退部の経緯〉と題する文書。

〈宮川紗江選手は2016年リオ五輪予選会まで、セインツ体操クラブで日常的に練習しておりました。しかしリオ五輪代表内定後、当クラブ体育館内で段違い平行棒練習中に大きな声で罵声をあげながら、頭を叩くなど体罰を与えていましたので私が注意をしました。この事は日常再三に行われていた行為であり、何よりも他の選手に悪影響を与えると判断したからです。合わせてセインツの体育館では練習しないように指示を出しました。(中略)リオオリンピック終了後は十分反省していると判断できましたのでセインツの体育館での練習を再開しました。しかし2017年モントリオール世界選手権の予選を控えて、再び体罰・暴力を繰り返し行うようになりました。今回は、周りで見ていた選手、コーチから酷すぎるとの訴えも有り、度重なる行為だったこともあり、速見コーチを(ママ)無期限の体育館への立ち入り禁止を命じました〉

 宮川選手は、自分と速見コーチを引き離す「多くの力が働いていた」と言ったが、事実、そういう力は以前から働いていたわけだ。

 2010年、1期生としてセインツに入った宮川選手は、招聘された速見コーチの指導を受けはじめたが、セインツの関係者は、

「速見は2、3年すると平然と暴力を振るうようになり、父母の間でもかなり話題になって、辞める人もいました。速見は宮川以外の子供に手を上げることはないので、“宮川だけ依怙贔屓している”と不満を抱いて解約する人もいました」

 と回想する。

(2)へつづく

週刊新潮 2018年9月20日号掲載

特集「体操界のDVカップル 『宮川紗江』選手を覚醒させるウルトラC」より

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