宮川選手を引き抜く気はなかった――「塚原千恵子」が告白する“体操パワハラ問題”全真相

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勧誘する気はなかった

 翌16日、宮川選手のほうから、私に「話があります」と言ってきました。あらためて「帰りたい」と言うので、「それはあなたのわがままです。強化合宿はみんなでやらなければいけません」と伝えました。それから、所属クラブの代表とは自分の代理人を通じてしか話したくないと言うので、ちゃんと自分自身で話をしなければいけないと伝えました。その後、直接話をしたようですね。ただし申し添えますと、宮川選手は7月22日、そのクラブとの契約が解除されています。この件に私はまったく関わっていません。

 結果的に、彼女は合宿に、最後まで参加することになりました。そして合宿が終わって帰り際、「明日からの練習は“2020”の練習拠点のNTC(ナショナルトレーニングセンター)と朝日生命久我山体育館の両方でできるけど、速見さんは所属からコーチ登録を外されているから、そこでは一緒に練習できないの。NTCで練習するときは専任コーチが補助してくれるので、日時を連絡してね」と言って、電話番号を書いたメモを渡しました。ところが宮川選手は、私が速見コーチから引き離したと誤解していたばかりに、これを勧誘だと思ってしまったのでしょう。

 遡れば4年ほど前に、宮川選手が立教の体育館を借りているが、1日3時間くらいしか練習できない、という話を主人が耳にしました。そこでうちのクラブの関係者が、「選手もコーチも雇えるから来てもいいよ」と声をかけたことがあります。親心のつもりでしたが、これも勧誘と受け止められてしまったようでした。

〈千恵子氏は、宮川選手に手を差し伸べたいと思ったことはあっても、勧誘したいと思ったことはない、と何度も強調した〉

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