選手生命より日程優先の甲子園――矛盾する「朝日」社説、せめて大会期間の2日延長を

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矛盾する朝日新聞の社説

 では、こんな人権無視の運営方法が甲子園で今後も続けられるべきなのだろうか。主催の朝日新聞は大会前の7月27日付で〈夏のスポーツ 細心の注意と工夫で〉と題して、こんな社説を掲げている。

〈(甲子園大会は)大会本部などの判断で、試合中に給水・休憩の時間をとることができるようにする――などの対策を決めた。試合だけでなく、練習時にも気を配りたい。折しも部活動のあり方を見直そうという動きが全国で進む。(略)東京五輪・パラリンピックでも、暑さ対策は最大の課題だ。選手はもちろん、運営を手助けするボランティア、国内外から訪れる観客への手当てに抜かりがあってはならない。猛暑にどう備えるかで、大会の成否が決まる。そんな認識と覚悟をもって準備を進めてもらいたい〉

 まさに、おっしゃる通りである。では、夏の甲子園を主催する朝日新聞自身は、なぜこの言葉を実践しないのだろうか。せめて、大会期間を「2日」延ばして、新たに「3回戦のあとに1日」、また「準決勝のあとに1日」の休養日を設け、「7日間で4試合」とすることはできないのだろうか。

 それだけでも休養できれば、選手の負担は、確実に軽減される。さまざまな制約はあるにしても、高野連が甲子園をフランチャイズにする阪神、そして甲子園球場と真剣、かつ誠心誠意、話し合い、「大会をもう2日延ばす」ことを実現すべきではないだろうか。高校球児たちの無償の奉仕によって、莫大な収益を上げている高野連と朝日新聞には、少なくともその「責務」があるはずである。

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