石破支持なのに、公然と石破氏の足を引っ張る竹下派幹部のしょうもない思惑

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辛い立場

「吉田さんは金丸信(1914~1996年)の秘書を務めてから、地元・長野の県会議員を5期務めた。参院議員になったのは01年で、現在3期目。彼がここまで出世したのは、今も竹下派の参院議員に強い影響力を持つ青木幹雄さんのおかげです。そもそも今回は、青木さんが『安倍一色でない自民党の幅の広さを総裁選で示さなければ、来年の参院選で有権者の失望を買う』と言い出したので、参院竹下派は石破推しを決めたんですよ。まあ、吉田さんは本音では安倍支持。しかし、親分の青木さんの言うことには従うしかないということで、石破支持に回ったのです」(同)

 吉田氏は、青木氏と安倍首相の間で、辛い立場にあるというわけである。加えて、来年夏に改選を迎える。

「彼の長野選挙区は、来年の参院選から定数が2から1に減って、これまで一緒に当選してきた国民民主党の羽田雄一郎(51)との一騎打ちとなる可能性が高い。羽田さんが野党共闘の候補として出るようなことになれば、吉田さんの当選はかなり危うくなります」(同)

 参院幹事長が落選なんていうことになったら目も当てられない。ご本人も出馬するかどうか迷っているらしく、自民党が7月に発表した一次公認候補に吉田氏の名前はなかった。

「選挙区の立候補は、リスクが高すぎる。そこで、比例ブロックから出ようとしているのではないかと言われています。それも、先日、国会で成立したばかりの、比例区の特別枠を使ってね」

 参院の定数を6増する改正公選法が成立したのは7月18日。これまで比例代表は、非拘束名簿式で得票順に当選が決まったが、新公選法では政党が当選させたい人を比例代表で優遇する「特定枠」が導入されることになった。吉田氏は、この「特定枠」からの出馬を狙っているとの見方がある。

「でもね、参院の選挙制度は吉田さんが中心になった変えたわけですよ。自分が変えたばかりの新制度を、ちゃっかり利用するというのは、いくら何でもカッコ悪い。だから自分から言い出せるはずがない。安倍さんから『是非、特別枠で!』と言ってもらえたら、これに勝るものはない。だから、石破推しの体で、安倍さんにもいい顔をしようと必死。石破さんの足を引っ張るような発言も平気でするのでしょう」(同)

週刊新潮WEB取材班

2018年9月5日掲載

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