石破支持なのに、公然と石破氏の足を引っ張る竹下派幹部のしょうもない思惑

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 前回(2015年)の自民党総裁選で安倍晋三首相(63)が無投票で再選されたため、選挙戦となるのは12年以来の6年ぶり。あの時の決選投票宜しく、今回も首相と石破茂氏(61)との一騎打ちとなる。だが、議員票では首相が圧倒的に有利で、9月7日の告示を待たずして、すでに勝敗が決しつつあるとの声も少なくない。その上、石破支持を決めた参院の竹下派重鎮も、なぜか石破氏にケチを付ける始末である。

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 安倍首相は党内7派閥のうち5派閥(計257人)の支持を取り付け、国会議員票で大きくリード。一方の石破氏は、地方票はかなり取れそうだが、国会議員票は自身の石破派(20人)と竹下派の参院(21人)のみ。そんな折、石破氏に後ろから鉄砲を撃ったのは竹下派の吉田博美参院幹事長(69)である。

「8月21日の記者会見で『相手を個人的なことで攻撃するのは非常に嫌悪感がある』と、首相の政治姿勢を批判する石破さんに対して、釘を刺したんです」(政治部デスク)

 総裁選とはいえ、一騎打ちの真剣勝負である。しかも相手は、現職の安倍首相だ。場合によっては、安倍首相を批判することもあろう。吉田氏の発言には、かなり違和感がある。

「石破さんは森友・加計問題に対する安倍さんの対応のまずさを指摘。キャッチフレーズもこの問題を念頭に“公正・中立”を掲げたのでしょうが、これをもって個人攻撃というのはちょっと理解に苦しみますね。吉田さんは、首相に電話して『石破さんには、“反安倍を掲げて総裁選をやるなら支持できない”と言ってやるつもりだ』と話したそうですけど、だったら最初から石破支持なんて打ち出さなきゃいいのに、との声が出ています」(同)

 一体、この人、どっちの味方なのだろうか。

「もともと吉田さんは、安倍さんと非常に関係がいいんです。例えば、党の役員連絡会でも、吉田さんは安倍さんにズケズケ物を言うものの、安倍さんはそれを黙って聞いています。いまや、吉田さんは、かつて青木幹雄さん(84)に代る“自民党参院のドン”ですからね。安倍さんも一目置いているのです」(同)

 そんな吉田参院幹事長が、石破支持に回った裏にはこんな事情がある。

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