実は機械で造っていた花畑牧場の「生キャラメル」 田中義剛社長は“火加減は手造り”の主張

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優良誤認表示?

 これが手造りなら、たとえば世界中の自動車も、1台残らず手造りということになってしまうが。横浜創英大名誉教授の則岡孝子さん(栄養学)が言う。

「手造りというと消費者は、職人さんが手間暇かけて造るイメージを持ちます。決められたレシピの材料を機械に入れて造るのは、火加減を人が見ていても手造りとは別物だと思います。消費者心理に付け込んでいると言われても、仕方ないんじゃないでしょうか」

 それでも花畑牧場の顧問、奥山倫行弁護士は、

「法令に違反しているとは認識していません。1から100まで手造りでないと、そう表記してはいけないとは思いません」

 と強弁するが、

「景品表示法の優良誤認表示に当たるかな、という印象をもちます」

 と、食の安全・安心財団の唐木英明理事長。

「最近ではマクドナルドのローストビーフバーガーのケース。CM映像では大きな肉塊を切っていましたが、実態は、小さな肉の塊を加熱結着させており、消費者が誤認する恐れがあると認定されました。最後は消費者庁の担当者のさじ加減一つです。でも花畑牧場はHPで“おいしさの秘密は、素材・火加減・手造り”としているのに、人が関わるのは火加減だけとなると、肝心の手造りはどこにある、という疑問が残る。私が消費者庁の担当者なら、手造りイメージをあざとく使った商品として、クロ判定を下すと思います」

 花畑牧場のHPには〈皆様を元気で幸せにするお手伝いをしたい〉と書かれている。たしかに、すべてが手造りだと誤解したままのほうが、数百円を投じた消費者は幸せでいられたかもしれない。

週刊新潮 2018年8月30日号掲載

特集「『手造り』はテレビ用で従業員もビックリ! 『田中義剛』の完全機械化『生キャラメル工場』」より

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