綾瀬女子高生コンクリート詰め殺人の“元少年”が、今度は殺人未遂で逮捕されていた!

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野獣に人権はない

「湊伸治」という名を聞いてピンとくる人は、多くはないだろう。しかし、すでに一部のネット民の間では話題の男なのだ。

 今から30年近く前になる。彼こそ1989年、日本中を震撼させた、綾瀬「女子高生コンクリート詰め殺人事件」の4人の犯行グループの1人なのだ。

「当時16~18歳の少年が、見ず知らずの17歳の女子高生を拉致し、40日間に亘り監禁した上、なぶり殺し、遺体をドラム缶に入れてコンクリートで固め、江東区の埋め立て地に遺棄した――鬼畜としか思えぬ犯行でした。しかも彼らが監禁に及んだ部屋は、少年の両親が同居する実家の2階の自室。その少年こそ、湊伸治(当時16歳)です。両親は共産党系の診療所に勤務し、父は診療所の経営する薬局の薬剤師、母は看護士でした。2人とも共産党員だったため、警察への対応も筋金入りでした。家宅捜索も弁護士立ち会いの下で認めるという具合で、そのために捜査が遅れたと言われたほどでした」(社会部記者)

 湊には懲役4年以上6年以下の不定期刑が下された。

 当時、実名で報じたのは週刊文春だ。記事を担当したコラムニストの勝谷誠彦氏(57)が振り返る。

「少年法の名の下、実名報道はできないという風潮は今も変わってない。だけど、取材すればするほど、あの事件は酷かった。だから、“野獣に人権はない”と言って、実名報道に踏み切ったわけです。だって名前も報じられない彼らは、数年経ったら世の中に出てきて平気で歩き回るんですよ。逆に殺された、あんなに可愛い女子高生の名前は、じゃんじゃん報じられていた。どっちの人権が大事なのかと思ったけど、人権派という方々からは随分いじめられたね。日本は出所した者に甘すぎるんですよ。アメリカなんて性犯罪者にはGPSまで付けているわけですから。あれほどの性犯罪者、重犯罪者の名を、若いからというだけで実名で報じないのは、むしろ一般庶民に危険が及ぶのだから」

駐車トラブルじゃない

 その言葉が実現してしまったということか――。では、現在の湊はどんな男になっていたのか。自宅周辺の住民からの評判はすこぶる悪い。

「あのアパートに越してきたのは2カ月ほど前ですよ。少し前に大家が変わってね、以前は6万5千円くらいの家賃で半分くらいしか入居していなかったんだけど、家賃を3万9千円なんかにしたものだから変な連中が入るようになったんだ。あの人は、最初はテキ屋かと思ったけどね。屋台に被せる“たこ焼き”とか“大判焼き”みたいな幕があるでしょ。あれが3~4枚ほど干されたりしていたからね。だけど、働かずに家にこもりっきり。たまに出てくると、大声上げて階段を降りてきたりしてた。周囲を警戒しているようにも見えたね。いつか何か起こすんじゃないかと思っていたけど……また帰ってくるのかねえ」(近隣住民)

「身長は160センチちょっとかな。小柄だけどガッシリしてる。坊主頭で、いつも短パンにダブダブでボーダーのTシャツだったね。突然話しかけてくることがあるんだけど、なぜかトランプ政権の話だったり、やけに社会派なことを言いたがるんだよ。だけど、働きもせずに何をやっているか分からないような奴に、そんな話を振られてもね……相手にしないようにしていた。だって、人が車の外からドアを半開きにして中のものを探しているときに、いきなりドアをバーンと閉めようとするんだ。ドアに挟まっちゃうじゃない。そんなところも見たしね。そうそう、それが下の階に住んでいる人で、事件のあった朝、ちょっと揉めていたみたいだよ」(別の近隣住民)

 実際、階下の住民に聞いてみると、

「ああ、そうなんですよ。夜中の3時でもお構いなく、2階の床をドンドンドンドン踏み鳴らしたり、大声上げたりするんで、うるさくてしょうがない。天井に付いている照明がグラグラしちゃってるの分かります? それで19日の朝も、うるさいから話し合おうと2階に上がってベルを押したんだけど、出てこない。僕が下に降りて部屋に入ると、またドンドンドンドン。その繰り返し……。しばらくすると外に出て行くのが分かったから、追いかけて行って、なんであんなことをするのか問い詰めたんですよ。でも、話をそらして、違う話をしてくる。『何か聞こえるの?』とか言ったりね。頭がおかしいんじゃないかと思ったけど、なんとか止めてもらえるようになったんですよ。そしたら夕方には、あの事件でしょ。ビックリしましたよ、下手をしたら刺されたかもと思うと、今になって恐くてね」

 事件の原因は駐車トラブルと発表されているが、目撃者たちの証言は異なる。

「駐車場に軽トラックが入ってきたんですけど、湊は仁王立ちして立ち塞がっていたんですよ。駐車トラブル? そんなんじゃないよ、因縁付けてたんだから。それで軽トラックの運転手が窓を開けたら、いきなり棒で殴ったんだよ」

「いつ刺したのかは分からなかったけど、軽トラには助手席にも人がいてね。その人があの男をぶん殴っていました。それを止めようとしていたのが刺された人です。刺された人は弱っている感じではなかったけど、長袖Tシャツの背中は血に染まっていたね……」

 湊立ち会いの下で行われた現場検証を見ていた人は、次のように話す。

「なんだか、まったく悪びれる風もなく『ここら辺でやられたかな、こっちもやったけどさ』なんて言ってましたよ」

 29年前の事件から更生したとはとても言い難い。

週刊新潮WEB取材班

2018年8月21日掲載

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