年1回の注射で「高血圧」治療! 服薬の煩わしさから解放する「新型ワクチン」が治験中

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年1回で効果「新型ワクチン」で「高血圧」治療ができる――森下竜一(1/2)

 高血圧はある日突然、脳卒中や心筋梗塞を引き起こす。この事態に怯えつつ、患者や予備軍は“薬漬け”の毎日を送っている。が、年1回のワクチン注射で血圧が下がり、服薬の煩わしさから解放されるとしたら……。そんな“夢の特効薬”の最新情報をお届けしよう。

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 既存の血圧を下げる薬は、確実に安全です。しかし、毎日、飲まなければいけないのは大きな欠点といえるでしょう。

 いま、私たちが臨床試験を行っている「高血圧DNAワクチン」が実用化できた場合、1回の注射で1年ほど効果が続きます。継続して服薬する煩わしさが解消できるわけです。

 日本国内では現在、約1010万の人が高血圧の治療のために薬を飲んでいて、予備軍も含めると、5500万人にものぼるとされます。ワクチンを打てば、これらの人々の薬が必要なくなるかもしれません。

 断言は難しいですが、順調にいけば5年後くらいまでには、と思っています。

――大阪大学大学院臨床遺伝子治療学の森下竜一教授はこう語る。日本のみならず、世界中の高血圧患者にとって福音となるのか。「サイレントキラー」の異名をとる高血圧は、自覚症状がほとんどない。静かに忍び寄り、ときには一撃で生命を奪う、恐るべき病……。日本人の4人に1人が、高血圧に起因した脳卒中や心筋梗塞で亡くなっているのだ。しかし、服薬以外に飛躍的な改善策を見出すのは難しい。塩分摂取に気をつけよ、ウォーキングなどの運動を継続すべし、など数多の対処法が巷間いわれているものの、結局、血圧を下げる薬は手放せない。森下教授には、こうした患者の現状に触れつつ、“特効薬”の高血圧DNAワクチンについて語ってもらおう。

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