「井上嘉浩」元死刑囚が書き残していたオウム「日本転覆計画」の仰天シナリオ

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

元ロシア軍特殊部隊が上陸

 さらに井上ノートには、サリン攻撃直後からの首都制圧計画の青写真が描きだされている。すなわち――「自衛隊の現役隊員・元隊員のオウム信者約50人、地下組織に属する教団信者の特殊ゲリラ要員約200人を動員。資金援助をしている一部の暴力団や過激派グループの協力を得て、完全防護服着用のゲリラ工作隊で首都を占拠する。生き残った政財界、警察などのトップに対しては、5名単位の暗殺チームによるテロ行為をおこなう」。

 そしてこの時点で、ロシアの太平洋艦隊まで登場してしまう。

「Xデーに合わせて、ロシア艦隊の一部が日本海で演習を名目に行動を起こす。サリンで被害を受けた都民の救援と称して、新潟周辺に元ロシア軍特殊部隊の隊員が医師を装って強襲揚陸艇で上陸。艦船に事前に乗り込んだオウム幹部が、ロシアの元軍人などで組織されたゲリラ部隊と合流して東京へ向かう」

 これで首都東京は完全制圧。麻原彰晃は神聖法皇の座に就き、オウム支配の臨時政権を樹立するというのだ。井上ノートでこの臨時政権の首班に擬せられているのが、2信組疑惑の渦中にある山口敏夫代議士。あまりに唐突で困ってしまうが、山口氏とオウムの関係はこれまでにも囁かれてこなかったわけではない。オウム・ロシア人脈の要とされるロボフ国家安全保障会議書記は、3年前に設立された露日大学の学長でもあり、オウムのロシア支部は露日大学の建物内に置かれていた。この露日大学と同様の構想は旧ソ連時代からあり、当時この計画に関わっていたのが山口氏だったといわれているのだ。

次ページ:根回しに「金丸信」

前へ 1 2 3 4 次へ

[2/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。