「ちあきなおみ」特番で流れた秘蔵映像 引退数年前の熱唱

芸能 週刊新潮 2018年7月19日号掲載

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 1992年、マイクを置き表舞台から去って26年。でも未だ彼女の歌声に魅せられるファンは絶えないようだ――ちあきなおみ、70歳。

 7月8日、BSジャパンで「ちあきなおみ 魂の熱唱!」が放送された。日曜日のゴールデンタイム、2時間の特番である。72年にレコード大賞を受賞した名曲「喝采」を始め、69年のデビュー曲「雨に濡れた慕情」、「四つのお願い」(70年)、「夜へ急ぐ人」(77年)などお馴染みの曲からポルトガル民謡やシャンソンまで全20曲を、懐かしの映像とともに聴かせてくれた。

 中でも圧巻だったのは、7分間ノーカットで流された臨場感十分のライブ映像、「ねえあんた」(74年)の熱唱だ。画像こそ粗かったが、生演奏をバックに、情感たっぷりに歌い上げる、これぞちあきなおみ――。

 番組を制作した「オールアウト」のディレクター、今成準氏はいう。

「映像は、ちあきさんの事務所に残されていたフィルムをお借りしたもの。正確な年代、場所等は分りませんが、恐らく彼女が40歳前後の頃、どこか小さなライブハウスで撮られたもののようです。『ねえあんた』は、年上の水商売の女がカウンターで惚れたお客に語りかける歌。大きなホールより小さめのホールで歌う方が、物語の雰囲気に合うんです。ちあきさんの最高傑作といっていい舞台です」

 音楽プロデューサーの砂田実氏はこう証言する。

「この曲を歌う際の彼女は、なぜかそうとう強い思いを持っていました。一人楽屋にこもり、納得するまで何度も練習を繰り返すんです」

 最愛の夫、俳優の郷えい治(えいじ)を肺癌で亡くすのは、このステージから数年後のこと。引退前、歌手として脂の乗り切っていた時期の貴重な映像である。