48人死亡の大口病院 「白衣の殺人鬼」を有罪にできるのか

社会週刊新潮 2018年7月19日号掲載

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 迷宮入りも囁かれていた「大口病院」(横浜市)の連続中毒死事件。発生から2年近く経ち、「白衣の殺人鬼」は7月7日にようやく逮捕された。驚くべきことに、20人以上の患者への犯行を認めているという。しかし、直接的な証拠はなく、自供頼み。果たして、有罪にできるのか。

 神奈川県警に逮捕されたのは、かねてから捜査線上に浮かんでいた元看護師、久保木愛弓(あゆみ)(31)だった。

 あらためて、事件を振り返ってみると、2016年9月20日の未明、入院患者の八巻信雄さん(88)の容態が急変し、死亡が確認された。その際、八巻さんの点滴袋が泡立っていたことから、病院は警察に通報。司法解剖の結果、体内から消毒薬「ヂアミトール」に含まれる界面活性剤が検出された。死因は、中毒死だったのである。

 神奈川県警は100人態勢の特別捜査本部を設置し、大がかりな捜査に乗り出した。ほどなく、八巻さんの死の2日前の夜に急死した西川惣藏さん(88)も、同じ中毒死であることが判明。

 しかし、さらなる衝撃的な事実が浮かび上がった。

 県警担当記者が解説する。

「大口病院の4階では、事件発覚までの3カ月、2日に1人以上のペースで患者が亡くなっていました。八巻さん、西川さんを合せて、全部で48人です。自力では食事も摂れない高齢の重症患者を受け入れる終末医療棟でしたが、それでも、異常な人数。事実、警察の捜査が入ってからは、死亡者が明らかに激減している。48人全員が、久保木の犠牲者かもしれないのです」

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