「谷岡学長」独占手記 金メダル製造機「栄監督」を破壊した「伊調馨」の秘め事

スポーツ 週刊新潮 2018年7月5日号掲載

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「谷岡学長」独占手記――栄監督を破壊した「伊調馨」の秘め事(下)

 現場復帰から一転、栄和人氏(58)の監督解任を決めた至学館大学の谷岡郁子(くにこ)学長(64)。問題の発端は、伊調馨(34)らが栄氏からパワハラを受けたとする弁護士の告発状が内閣府に提出されたことにあるのは知られたとおり。そこには伊調が師事する田南部力(たなべちから)コーチへの不当な圧力についても言及されているが、谷岡学長によれば、栄氏は“伊調と田南部コーチが2人だけの世界をつくってしまっている”“周囲からクレームが出ていたため、2人に注意した”と明かしたという。

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 もともと、栄監督とはソリが合わないところがあって、馨は2008年の北京五輪の後、至学館を離れました。

 でも、16年のリオ五輪が開催される間際、馨は子どものころに通っていたレスリングクラブの代表を介し、栄監督にセコンドを依頼した。栄監督はそれを快諾し、私に嬉しそうに報告しにきたのを覚えています。

 ところが、リオ五輪で優勝を飾った馨は、栄監督が握手を求めると、一瞬嫌がる素振りを見せたのです。観客席にいた私は、唖然としました。懸命にセコンドを務めたのに、そのような仕打ちを受け、かなりのショックを受けていた。でも、栄監督は恨みに思うようなことはなかったし、パワハラ問題が起こってからも、馨に対し非難めいたことを口にすることはありませんでした。

 とはいえ、なぜ、突然、パワハラを責められることになったのか、栄監督はなかなか理解できないようだった。唯一の心当たりが、看護師支援団体のイベントで、馨の従兄弟であるI・T氏とトラブルになったことでした。監督にI・T氏からのラインを見せてもらいましたが、下ネタと栄監督に協会の悪口を言わせるよう仕向ける内容ばかり。レスリング界で功績を残し、名のある指導者となっているのに、なぜ、馨の従兄弟とはいえ、胡散臭い人物を不用意に近づけたのかと栄監督を叱責しました。

 ただ、誰に仕掛けられたにしろ、私は馨らが主張するように、栄監督が彼女の五輪5連覇を阻止すべく、パワハラを行ったとは夢にも考えなかった。

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