過去には真田広之も経験 死者を出した「仮面ライダー」飛び降り訓練

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一昔前はもっと高い

 当日の野邉さんは、15メートルあるホテルの5階から駐車場に敷かれた厚さ2・5メートルのエアーマットに向かって飛び降りる訓練をしていたという。JAE担当者の話。

「頭から飛び込み、空中で半回転して背中から落ちるという演技の練習です。彼は3回目の飛び込みをし、マットから起き上がったのですが、少しフラフラすると倒れてしまったのです」

 ドクターヘリで約16キロ離れた医療センターに担ぎこまれたが、翌朝、帰らぬ人に。死因は脳出血だった。

 現在、千葉県警が業務上過失致死容疑を視野に、捜査をしているというが、

「彼が入所したのは3年前。事務所の中堅として活躍していました。昨年も合宿で飛び込みをやっていますし、事故当日も問題なくマットに落ちたので、原因が分からないのです」(同)

 さるスタントマンが言う。

「15メートルは、業界では当たり前の高さです。今はCG技術が進んだため、やらなくなりましたが、一昔前はもっと高くても飛んでいました。真田広之は初主演した映画で、30メートルほどあるお城の天守閣から飛んでいます」

 そして、初代仮面ライダーを演じた藤岡弘、氏は、

「当時、私も飛び込みで何度も衝撃を受けた覚えがあります。繰り返すうち体に歪みが生じ、回復する間もなく、訓練を重ねたことが事故に繋がってしまったのではないでしょうか。今は、マットの安全性が高くなり、安心感が逆に無理へと繋がったのかなと思いました」

 真相は捜査の結果を待つしかないが、ともあれ、危険と隣り合わせの演技が、正義のヒーローを作り上げているというわけである。

週刊新潮 2018年6月28日号掲載

ワイド特集「傘がない」より

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