「今度、ハクスキノエへ行くんです」。そう言うと、決まって誰からもきょとんとされた。「白村江」とは、古代日本(倭国(わこく))にとって最大の対外戦争の起こった場所。660年に滅んだ百済再興を手助けするため、663年に倭国がはるばる朝鮮半島まで出かけ、唐・新羅連合軍と戦ったのだ。いわば集団的自衛権を行使した参戦であった(しかし結果は大負け)。
日本史の教科書には必ず登場するはずなのだが、関ヶ原の戦いや太平洋戦争ほどの知名度はない。1300年以上前のことだから仕方ないが、この白村江の敗戦は、天皇を中心とする強い国家と、「日本」という国号を生む契機となった。...
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「今年の新人は使えねー」「うちの新人、こんなことも知らなかったんだよ」
この手のグチ、陰口は4月のこの時期に社内で必ず聞えてくる。「新人使えない話」は会社では鉄板のネタだ。
たしかに新人は「無知」で「使えない」ことが多いのだろう。でも、そうグチっている人だって、ほんの数年前までは「無知」で「使えない」新人だったんじゃないのか。若手社会学者の古市憲寿氏は、新著『だから日本はズレている』(新潮新書)の中で、「そもそも新社会人がすぐに使えるはずがない」と述べている。...
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