オーディション数百回「忽那汐里」海外に活路? 「デッドプール2」に大抜擢

エンタメ 映画

  • ブックマーク

Advertisement

1週間で3回

 改めて、所属事務所の担当者に話を聞くと、

「オーディションを何百もということはありません。こちらも数えていたわけではないので正確には分かりませんが、100以上は受けたかもしれない。多い時には立て続けに1週間で3回受けたこともあったので……」

 豪州生まれの日系3世である忽那は、英語が堪能なバイリンガルという強みを持つ。ゆえに、海外進出は、16年公開の映画「女が眠る時」がきっかけだったと言うのだ。

「米国在住のウェイン・ワン監督に、“英語が喋れるんだから、もっと海外に挑戦した方がいい”と勧められて触発された彼女は、さっそくロスへ向かい現地のプロデューサーなどに会ってから、オーディションを受ける決意を固めたのです。ハリウッドの場合、演技やセリフの朗読を自分で動画に撮り、先方に送って面接となりますが、今はスカイプなどネットも使えるので、日本にいながらオーディションを受けることも可能でした」(同)

 努力が報われ、今年は他にも2つの米国公開の映画に出演を果たしている。ハリウッドスターの団体・全米俳優組合(SAG)にも加入が許されたのだが、映画評論家の北川れい子氏はこんな意見だ。

「ここ10年ほどのハリウッド作品は、忽那さんが出演した、ヒーローが何人も出てくるような映画に、必ずアジア系の俳優が起用される。巨大な中国市場を意識していると思いますが、公開先で自国の役者が出ればやっぱり話題になりますからね。それでも主役になるのは難しいですから、今後は彼女の頑張り次第。確実にアジア系俳優の需要は増えていますよ」

 したたかな大人たちの戦略に負けることなかれ。

週刊新潮 2018年6月21日号掲載

ワイド特集「あじさいに 欺かれけり」より

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。