元文科省次官はクーデター否定も… 「城西大学」不適切支出騒動の背景

社会週刊新潮 2018年6月14日号掲載

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元「文科省次官」が乗っ取った「城西大学」理事長の椅子(下)

 5月31日に文科省で開かれた城西大学の会見は、前理事長・水田宗子(のりこ)氏の不適切支出を告発するものだった。しかしその背景には、理事長の椅子を巡るクーデターがあった。16年11月30日、同大学の理事会にて、元文科省事務次官である理事の小野元之氏は、水田氏の理事長解任についての緊急動議を提案。「デタラメ経営」「ワンマン」「認知症にかかっておられるのでは」といった“口撃”、そして水田氏の不正支出について述べたのである。

 これに水田氏は、

「(支出には)経理上の監査役にあたる監事のチェックを受ける。好き勝手に何でもできる組織ではありません」「証拠がないから不意打ちするしかなかったのでは」

 と一連の指摘を否定する。小野氏が解任の採決を急ぐのには、ある理由があった。

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 実は、この理事会が行われる数カ月前から、文科省は城西大に対して「学校法人運営調査」を実施していたのだ。これは10年おきに行われる定期検査のようなもので、国の補助金が適正に使われているかチェックを受ける。むろん、城西大に限らず全国の大学で実施されているが、小野氏は調査を受けた学内関係者から聞いたと断った上で、理事会では以下のように説明した。

小野氏「文科省の担当官は『こんなデタラメな経営をするのであれば、経営(ママ)補助金が止まりますよ』とまで言っているワケですから。(中略)理事長の解任勧告を出されたり、補助金を全部ストップされたら、本当に困ると思います。この理事会は理事長なり事務局長の業務執行を監督する立場でございますから、理事会としてきちんと方向性を出してですね、自浄作用を働かさないと私は将来大変なことになると危惧しているわけでございます」

 実際、文科省の調査を口実に、小野氏は“多数派工作”を仕掛けたと、ある城西大幹部は打ち明ける。

「調査のことは皆が知っていたので、理事たちは小野さんの脅しにすっかり乗せられてしまった。文科省とパイプのある元次官が、“調査次第では補助金が打ち切られる”なんて言ったら説得力がある。そうやって小野さんは、自分の側へ転びそうな理事たちへ根回しをした。こうなる前から、彼が文科省に乗り込み“理事長を辞めさせろ”なんて言った、との話も飛び交いました」

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