人気急上昇、「大学附属校」という選択 狭き門になった「早慶」「MARCH」を突破する方法

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附属校のアメとムチ

 広野氏が例に挙げるのは、明治大学付属明治中学だ。

「最近は英検準2級取得に加え、校内試験などのいくつかの基準を満たしていないと高校への推薦権を得られず、同様に、英検2級や校内の評定基準を満たしていないと、明大への推薦権をもらえません。一方、国公立大学や明大にはない学部を受験する場合、明大への推薦権をキープしたまま受験できるようになりました。頑張る子には“アメ”、頑張らない子には“ムチ”という方法で、大学側は学力のある学生を確保しようとしているのです」

 附属に入っても「遊び呆ける」心配は、以前ほどはないというわけである。

「中高一貫の進学校は、中2までのカリキュラムを中1で詰め込み、中3で高1の範囲まで終えてしまう場合が多い。脱ゆとりで勉強する範囲は広がっているのに、基礎を固める時期に詰め込みすぎると、どうしても授業についていけない子が出てきます。その点、附属校なら無理なく勉強を定着させられ、受験対策の慌ただしさがない分、部活動や語学の勉強などの時間も作りやすい」(同)

 あるいは、たとえば「なんとしても早稲田」という場合、広野氏によれば、便利な機会があるという。

「早稲田大学は最近、大隈講堂ですべての附属校や系属校との合同説明会を行うようになりました。冒頭に大学の説明があるので、保護者や生徒たちは大学の現状も知ることができるうえ、系列の学校を一気にチェックできます。法政大学や立教大学にも同様の説明会があります」

 さらには、お得かもしれない2校の名を挙げる。

「2010年にできた早稲田佐賀中学・高校には、早大進学を希望して首都圏から入る子が結構います。中学入試で早稲田の附属や系属はどこも難化していますが、早稲田佐賀や大阪府の早稲田摂陵は比較的入りやすい。それに寮制なので、思春期で難しい時期の子でも、勉強習慣が自然と身につくメリットもあります」

(下)へつづく

週刊新潮 2018年6月7日号掲載

特集「『地方創生』が狭き門にした『早慶』『MARCH』を突破する法」より

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