実質戦費がどの程度だったかは、複雑な問題

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 第50回(2018年5月10日「第2次世界大戦における戦費の総額はどの程度だったか?」)で述べたように、日華事変(1937年~1945年)と太平洋戦争(1941年12月~1945年8月)の戦費の総額は、『昭和財政史』によれば、7559億円とされている。

 しかし、この中で、「臨時事件費」が5623億円であり、7559億円の約4分の3もの比重を占めている。この額は、ほぼ外資金庫の損失額に対応している。これは、中国や南方の占領地で激しいインフレーションが起きたにもかかわらず、為替レートを据え置いたために、書類上、占領地での名目支出が膨張したことによって「調整」が必要になり、帳簿上計上されたものだ。...

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