菅官房長官の天敵・東京新聞「望月衣塑子」記者が暴露した“官邸取材の内幕”

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記者クラブの団結が必要

望月:最近も900枚の交渉記録、「一切ございません」って佐川(宣寿)さん(60)が言い続けてましたけど、出てきましたね。去年の2月、安倍さんは国会で「私や妻が関与していたと言うことがあれば、総理大臣も国会議員も辞めます」とおっしゃったのは間違いない。こうおっしゃったのをきっかけに、さまざまな改ざん、交渉記録の破棄、という方向に決まっていったんではないかと報道に出ています。この交渉記録がバーンと出てきたら、アッキー(安倍昭恵[55])が関与しているわけですよ。直接的に「値切りしてー」とかやっていませんけれど、棟上げ式に来る予定になっているとか、籠池さんから聞いたような話も含めて、色んなことの背景があの交渉記録に出てきた。つまり昭恵さんが会ったからこそ、土地値引きの傍証になるのではないかと思うのですが、ここについても1問しか聞けないわけです。「昭恵さんが交渉記録にありましたけど?」と聞いても「国会で答弁いたしましたから」で終わっちゃうわけです。

 そもそも「記者がすり寄っている」ということもあるとは思いますが、それ以上に、対決するための機会さえ持てなくなったのが安倍首相です。

 これが第2次安倍政権になって、官邸に入るフリーパスは政治部でさえ新たに発行されない。私も週に3日ずつ入ってますけど、フリーパスはもらえません。フリーパスをもらえても、1年以上行ってなければ自動的に失効。「新規でのフリーパスで官邸に入れる記者ってのは、ほとんどいない」と聞いてます。これは官邸だけでなく、内閣府に関しては、幹部を呼び出すと1階まで降りてきて、そこで対応する。検察庁刑事部にも久々に行くと、かつては毎日、刑事部長のところにも自由に行けたんですが、週1回30分だけとか、官邸の意向を受けてのことか分かりませんよ、だけど非常に質問できる機会を記者クラブの記者にまで狭めてきている。

 麻生(太郎)さん(77)も色んなこと言われてはいますけど、かつて1年前は財務省の報道をきちんとやっていたんです。だけど去年の夏以降、ほとんどやらなくなった。閣議後に大体2~3問は聞いて、「はいもう終わり~」で終わらせちゃう。

 これに記者が慣れちゃうと、たまに財務省がちゃんと質問を受け付けても、2~3問しか出なくなっちゃう。「こんなもんかな」と慣れさせられちゃうんです。私たち記者クラブの記者さえも、そういう機会を埋められ始めているということを認識して、財務省や官邸に一致団結して抗議をし、きっちり質問の機会を設けてくださいとやらなければならないと思います。

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